第32話 ページ33
〜
もしかして嫌いなものあげちゃったか…?
少々心配になり彼の顔を覗き込むが、杞憂だったらしい。
「……………っ!?」
…………喜びの、
一瞬だけ見えた初めての有彩色は黒を含み、くすんだ黄色。
『……こういうお菓子とか貰うの、初めてだったので』
僅かだがAの変化に思わず頬が緩む。どんな精神状態であれ、彼の有彩色を見れたことが素直に嬉しかった。
なんだ、この
…………………ちゃんと子どもなんだ
「…なら、よかった」
今はただ、祭りを楽しむか……
その時、魔具研究
本祭開始直後のド派手なものには劣るが、空に咲く花は大きな音で存在を主張し、星のように輝いてはやがて静かに音もなく消える。
「さ、本祭を楽しも!今日の主役は君たち一年生だよ」
そうAに手を差し伸べて笑みを零す。俺は、気づかなかった。
学校警備にあたっているはずのエイトが、こちらをじっと見ていたことに。
その瞳に含む感情の色も、知らずに。
イルマside
「ごめんなさい……!」
屋台で買ったものを食べながら、おじいちゃんとオペラさんに謝罪する。
ところが僕の謝意に対して、おじいちゃんとオペラさんは全く気にしていない様子だった。
「まー緊急時だったし、
学校も救ったんだからおじいちゃんは気にしてないよ〜〜〜っ!」
僕が反省していること、それは悪食の指輪に貯めている魔力の全解放をしたことだった。
指輪の改造と使用上の注意をして貰った矢先に約束を破ってしまったことへの気まずさは半端ないものだ。
「しかし、学校破壊の寸前によく魔力全解放の策を思いつきましたね。」
すごいです、と感心の声を漏らすオペラさんに僕は慌てて否定した。確かあれは……、と朧気な記憶を想起しながら当時のことを口にする。
「僕がどうしようって焦ってた時にAくんが魔力全解放を、って言ってくれ……て…」
____________あれ?
何かが頭の中で矛盾点を生み、Aくんと出会ってから今までのことを思い出す。
………
この魔界で人間だとバレるのは致命的。だから彼に言ってるはずがないのだ、僕の魔力の源が指輪であることは。
〜
435人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫咄(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!全員推し分かります!皆が皆良いキャラでいくら書いても書き足りないくらいです笑これからも更新頑張ります! (6月7日 19時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私愛され大好物なので嬉しいです!魔入りました入間くんのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (6月7日 19時) (レス) @page5 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - ガイさん» ありがとうございます!頑張って執筆しますのでまた読みに来てくれると嬉しいです! (4月30日 14時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
ガイ - 面白かった。←いつもは、こんなキャラじゃありません!!(*/□\*)かぁ〜// (4月30日 14時) (レス) id: 5793000cce (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!とても励みになります!これからも頑張って執筆していきますので読んでいただけると嬉しいです。 (2023年4月7日 23時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫咄 | 作成日時:2023年1月1日 23時