第12話 ページ13
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エイトside
「あれ?あの
昼休み、ちょうどツムルと廊下を歩いていた時に中庭を指しながら言われて目を向ける。
たしかに彼はいた。
ほら、昨日正門を壊したお前の彼女、と同僚の酷い解釈違いに全力で否定する。
まぁ勘違いされるのも仕方ないんだけど…
「そもそも、Aくんは女子じゃないよ」
「えぇ?!そうなの?!思っきり女子だと思ってた……」
あの顔で男子ってすご……、と感心の声をあげるツムル。
確かに、女子ではないと言えば普通はその逆である男子だと思うのは当然だ。
Aくんの動向を見れば、どうやら決闘の最中らしい。
白熱する闘いにギャラリーも気炎を揚げる。
決闘でこれほど盛り上がるとはなんとも悪魔らしいな、なんて思っていたその時、
「おおおおおおおおお!!!!」
Aくんを囲っていた、大きな炎の壁が一瞬にして消え失せた。
これにはギャラリーも一番黄色い声をあげ、すげえすげえと目を輝かせている。
ツムルも食いつくのではと隣を見ると、同僚はあまりの驚きに言葉を失った様子でゆっくりとこちらを見た。
「なあ……あれってさ…
一年生が使える魔術だっけ……?」
やっと声にしたものはやはり驚きが多く混じっていた。既にAの実力をこの身で感じていた自分でも少しばかり驚いている。
「いいや……
普通なら三、四年生から習得し始める魔術の応用だ。」
同僚の問いに、普通の悪魔の仮定で答える。
魔術の基礎を学ぶ一年生が、できるはずないのだ。家系能力ならまだしも、基本魔術の応用は特に高難易度。
「家系能力では、なさそうだし…
得意魔術は………風だっけ?
あんなにコントロールが上手いなんて……」
ツムルが驚く理由も分かる。
Aが炎の壁を消した魔術の応用…あれは応用の中でも相当難易度の高いものだ。
自身の周りの大気中や地中にある酸素と二酸化炭素の掌握。それが彼の行った魔術の応用だった。
酸素は地中へ、二酸化炭素は空中へ。
これを一瞬で行うことで酸素を燃料として燃える炎は二酸化炭素によって跡形もなく消える。
「まさにアブノーマルだね、あの悪魔は」
………こんなの、規格外だ
遠目にAくんを見て異常だと思いながらも、僕の中では名付けようのない感情が、確実に芽を出し、渦巻いていた。
____あの
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紫咄(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!全員推し分かります!皆が皆良いキャラでいくら書いても書き足りないくらいです笑これからも更新頑張ります! (6月7日 19時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私愛され大好物なので嬉しいです!魔入りました入間くんのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (6月7日 19時) (レス) @page5 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - ガイさん» ありがとうございます!頑張って執筆しますのでまた読みに来てくれると嬉しいです! (4月30日 14時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
ガイ - 面白かった。←いつもは、こんなキャラじゃありません!!(*/□\*)かぁ〜// (4月30日 14時) (レス) id: 5793000cce (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!とても励みになります!これからも頑張って執筆していきますので読んでいただけると嬉しいです。 (2023年4月7日 23時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫咄 | 作成日時:2023年1月1日 23時