それはまるで雪のように。《竈門炭治郎》

拾参 ページ13

雪乃side

彩「雪乃さん、ちょっといいかしら」




蝶屋敷から出る時、真中ちゃんに呼び止められた。




「なあに？」




ちょっと来て、と手を引っ張られ、連れてこれらたのは、しのぶさんの部屋の近くだった。




「しのぶさんに話でもあるの？」



わたしは問うたけど、真中ちゃんはただ笑うだけ。





そこで私は、おかしな所に気がついた。







オーラが…無い？






真中ちゃんからオーラが見えない。



なんの感情も無いってこと？おかしい、人間にそんなこと起こるはず…





彩「ね、雪乃さん。あなたの日輪刀を見せて？」



「へ？日輪刀？」



いいけど…と日輪刀を鞘から抜き、手渡す。




彩「なかなか切れ味が良さそうね」



「ええ、作ってくれた職人さんがすごく丁寧な人で…」




ｻﾞｼｭｯ




私の言葉を、刀の音が遮った。




真中ちゃんは、腕から血を流しながら、日輪刀の柄を私の方に向けて、刀を投げ落とした。




「ま、真中ちゃん…何を…」



彩「え、え、雪乃さん…なんで…」




それを言いたいのはこっちだ！




そう口を開こうとした時、




胡「真中さん、雪乃さん!?どうしたんですか!?」



「真中ちゃんが私の日輪刀で腕を…」




彩「雪乃さんがｯ、私の炭治郎に近くなって切りかかってきて…咄嗟のことで反応出来なくて…ｯ」




何を…この子は何を言ってるの？





私、そんなこと言ってない…





胡「傷は…深くは無いけど出血量がちょっと多いですね。医務室に行きましょう」



はい、と小さく頷く真中ちゃん。その目から涙か溢れた。


彩「あ、あれ、私…」


胡「落ち着いて、大丈夫ですよ」




「しのぶさ、」



胡「話は後で聞きます。ここで待っていてください」





聞いたことないような冷たい声…







どういうことなの…？

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