バイトしている喫茶店の常連があの人だった話。 (ページ3)

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そうしてマップを頼りにサンビタリアがあるビルを探す。ルル、眠くなって来ちゃったかな..

結構空間把握は得意な方なので、マップと見合わせ、無事それらしきビルには着いた

でもここかな...?
結構ボロボロなんだけど....

お世辞にも綺麗といえない外観、壁には植物のつるが這っているし、コンクリートも剥がれかけている。そして凝視したらやっとわかる程度の木製の看板。喫茶店サンビタリア....ここか。

若干の不安を抱きつつ二階へ足を進ませる。
同時に喫茶店に行くのは初めてで、やっぱりクリームソーダがあるのか。ナポリタンとかあるのかな。オシャレな装飾とかやっぱりあるのかなと少し期待も入り交じりつつ入口に向かう。

ドアは重たそうな木のドア。ドアのガラスがシーグラスみたいで綺麗。

....さあ開けるか！！！！！

案の定重いドアを体全体で押し、ドアを開ける。
カランコロンと鈴の音が軽く店内に響いた。

内装を見た瞬間思わず見とれてしまった。

....すごい綺麗。
レトロチックなテーブル、イス。
テレビの中で泳いでいる金魚。
古びれた赤色の公衆電話。

どれも非日常感があって一瞬にして世界観に心酔する。

「こんにちは。いらっしゃいませ。」

と笑顔で挨拶をされていることに気づき、現実に引き戻された。

...そうだ。ルルちゃん！！！
バッグを静かに覗き込むと小息をたてて寝ているルルがいた。安心感無いなぁ笑笑

『こんにちは。ルルちゃんを連れて来ました。』

そう言って寝ていたルルを優しく抱き起こす。
ルル、せっかく寝てたのにごめんね笑

『ルル～。ご主人様だよ！』

ルルを店長さんの目の前に近づけた。

するとルルが店長さんの腕に猛スピードで飛び乗る。
...私も結構愛着湧いてたんだけど、別れってこんな感じ？？

「ルル～！！！！！！！！！！
ありがとうございます！！ありがとうございます！！
....ルルおかえり！！！」

テンション爆上がりだな...

そんな私との空気感が違うからか、店長さんも息を整えて

「ｺﾞﾎｯ連れて来ていただいてありがとうございます。3日も居なかったので気が気でなく、夜も眠れませんでした」

...確かに、目の下にははっきりと見えるクマ、明らかに疲れているような表情もしてるし、こんなに大人びた人がこんなにはしゃぐだなんて、そんなにルルが愛されてるんだな...。

そんなことを考えていたら

勢いよく私のお腹の虫がギターの爆音のようにけたたましく鳴った。