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10. ページ10

「何だか今、悪寒がした様な…。」




1-Aにクラス分けされた私は、急に降り掛かった寒気に身を震わせる。


隣の席の高峯くんが遠慮がちに視線を向けて来たけれど、私と目が合うと慌てた様に視線を逸らしてきて、きっと講堂内の事で警戒されているんだろうな、と心の中でボヤく。




「か、かわいい…。」




何か独り言を言っている様な気もするが、小さ過ぎて聞き取れず。辛うじて自己紹介はしてくれたものの、それ以上の会話はこの現状から察するに出来ていない。




「あの、高峯くん。」




勇気を振り絞って声を掛けてみれば、彼は大袈裟に肩を震わせた後、頬をやや紅潮させながら視線を合わせてくれた。


一応、話は聞いてくれるという解釈で大丈夫なのかな?




「嫌だったら断ってくれて大丈夫なんだけど、放課後って少し時間あるかな?」


「え、放課後…?」




何故か驚いた様子の高峯くんに首を傾げる。色々とこの学院について教わりたいんだけど、やっぱり迷惑だったかな。


英智くんから聞いたのはこの学院のシステム云々が主軸だったし、出来たらもっと詳しく知りたいんだけどな。




「それはデートの誘いッスね!?」




何やらアイドルにとっては致命的なワードを身に纏い、間に割って入ってきたのは同じクラスの南雲鉄虎くん。


デートという単語に、高峯くんは耳まで真っ赤にさせて机に伏せてしまった。




「えっと、普通に学院について色々と教わりたかっただけなんだけどな。」




そう苦笑して返せば、高峯くんは伏せた腕の隙間から翠色の瞳を覗かせて「俺でも良ければ…。」と了承してくれた。




「デートと勘違いしたとか……はぁ…………鬱だ。」




再度机に伏せてしまった彼を、南雲くんは遠慮なんか知らないとでも言うように背中をバシバシと叩く。




「元気出すッスよ!」




高峯くんの背中を叩くだけ叩いた後、南雲くんは自身の席へと戻って行く。




「…デートかと思って、思わず間に割って入っちゃったッス。」




そんな呟きは、始業を告げるチャイムの音に掻き消されたのであった。

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いちごみるく(プロフ) - ああさん» わあっコメントありがとうございます🥲💖更新頑張るのでこれからも応援して下さると嬉しいです🌟 (12月4日 14時) (レス) id: 9c0c3ed197 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 毎回更新楽しみにしてます!頑張ってください (12月4日 14時) (レス) @page30 id: e23ab71cab (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - いちごみるくさん» ?!こんなにも素晴らしい作品の作者様に読んでもらえてるなんて嬉しすぎます…🥹お互い執筆がんばりましょう🫶🏻 (11月17日 17時) (レス) @page13 id: c4d8e8a0ac (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - つきさん» わあ〜!ありがとうございます😭💖実はつき様の作品も読ませて頂いてます👉🏻👈🏻♡ (11月17日 14時) (レス) id: 9c0c3ed197 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…更新がんばってください! (11月16日 11時) (レス) id: c4d8e8a0ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちごみるく | 作成日時:2024年11月10日 15時

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