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26. ページ26

Aが敬人に連れられて、処罰(・・)を受けに立ち去った生徒会室は殺伐とした雰囲気が漂っていた。




「Aさんに何をやらせる気かな。」




少しだけ首を傾げて聞いた凪砂は、一見穏やかそうに見えるものの、その言葉に込められた威圧感に英智は一瞬言葉を詰まらせる。




「気になるのかな?まあ…敬人に全て任せてあるから、そう身構えなくても大丈夫だと思うけれどね。」




その言葉を聞いても尚納得がいかないというEdenの面持ちを眺めながら、英智は続け様に言葉を紡ぐ。




「健気だよね、Aちゃん。君達の代わりに自ら犠牲になろうだなんて。守ってあげたくなっちゃうよね。」




愛おしそうに目を細める英智に、渉を除いた五奇人組も不機嫌を露わにして腕を組んだり足を組み直したりと様々な反応を示している。


生徒会室に足を踏み込んでからというものの、渉は何かを考えているのか、彼にしては珍しく上の空で。




「渉にいさんずっと黙り込んでるけド、何か気になる事でモ?」




Edenと英智が睨み合う中、配慮して小声で聞く夏目に対し、渉は未だに上の空で言葉を返す。




「いえ、私彼女を前にすると、胸が高鳴りましてね?どうにか抑えようとしているのですが、これがなかなか…。今も私の心臓はバルーン気球が破裂した様に音を立てているんですよ。」




捲し立てる様にそう言った渉は、自身の胸に手を当てながら鼓動を確かめている。


小声だった夏目のその配慮は通常声量の渉によって無に帰し、その場にいた全員の視線が渉へと集まっているこの状況に、渉はようやく気付いたのか首を傾げて「どうかされました?」と言葉を発する。


その問いに、誰もが歯切れの悪い返事を返しており、渉の疑問は深まるばかりだ。


そんな気まずい雰囲気を打破したのは、他でもなく英智で。




「そうだ、これは別件の話になるのだけれど____………」




そう言ってEdenの前に置かれる、数枚の資料。それを見た四人は訝しげに眉を顰めつつも、資料を手に取る。


読み進めていく内に、四人は信じられないといった面持ちで英智を見据えた。




「我々と仕事の話です?正気ですか?」


「勿論。こちらの人選については後程詳細を送らせて貰うけれど、君達にとっても悪い話ではないと思うよ。先も述べたけれど、君達に下される処罰とは無関係なのだから、是非前向きに検討して欲しい。」




綺麗に微笑んだ英智に、四人の眉間の皺はより一層深まるのであった。

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いちごみるく(プロフ) - ああさん» わあっコメントありがとうございます🥲💖更新頑張るのでこれからも応援して下さると嬉しいです🌟 (12月4日 14時) (レス) id: 9c0c3ed197 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 毎回更新楽しみにしてます!頑張ってください (12月4日 14時) (レス) @page30 id: e23ab71cab (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - いちごみるくさん» ?!こんなにも素晴らしい作品の作者様に読んでもらえてるなんて嬉しすぎます…🥹お互い執筆がんばりましょう🫶🏻 (11月17日 17時) (レス) @page13 id: c4d8e8a0ac (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - つきさん» わあ〜!ありがとうございます😭💖実はつき様の作品も読ませて頂いてます👉🏻👈🏻♡ (11月17日 14時) (レス) id: 9c0c3ed197 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…更新がんばってください! (11月16日 11時) (レス) id: c4d8e8a0ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちごみるく | 作成日時:2024年11月10日 15時

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