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家に帰ればすぐ会えるのに、こうして律儀にメッセージをくれるから可愛いな。
それに、手書きの文字ってなんかいいよね。
呑気なことを考えながら付箋に書かれている文字をなぞる。
"仕事、頑張って！"
…あぁ、あったかい。
ただこれだけの他愛のない文字の羅列でも、愛おしい彼からの気持ちがこもっている。
ニヤニヤしながら付箋をファイルに挟むと、チクリと刺さった視線に気付いた。
ばっとオフィス内を見渡すと、給湯室の窓から私を見ているミンソク先輩。
「ひぇ…っ、」
MS「なーにニヤニヤしてんの。ちゃんと仕事しろよ？」
「いやこっち来てるなら言ってくださいよ。何か用ですか？」
MS「今来たんだもん。そうそう、引き継ぎの資料で渡してないのあったんだ。」
そう言ってミンソク先輩が差し出したのはオッパが勤めるLS社の資料。
「なんですか、これ。」
MS「渡しといてって言われたヤツだから俺も内容は知らない。まあ適当に目通しといて。」
「はあ。ありがとうございます。」
ペラペラと資料を捲ってざっと確認する。
別に大したこと書かれてなさそうだけどな。
MS「じゃ、俺行くわ。午後も頑張れよ。今度久しぶりにご飯も行こうな。」
「はーい、了解です。ミンソク先輩のおごりで！」
MS「はいはい。じゃあな。」
そう言って颯爽と去っていったミンソク先輩。
あ、ミンソク先輩目当ての女の子達が窓からこっち見てる怖い。
カッコイイもんな…分かるよ…分かるけど私人妻だから許して。
そんな事を考えながら手元の資料にもう一度視線を落とす。
「…へえ。」
さっき見落としてたけど、LS社が新しく航空会社と契約をしたらしい。
LS社は普通の企業だけど、何かメリットがあったのかな。
しかも代表オッパだし。
何にせよ元気ならいいけど…。
ふう、と一息吐いて資料を引き出しに仕舞ったら、ミンソク先輩に言われた通り午後も頑張らなきゃ。
セフニからのメッセージでだいぶ力貰ったしね！
えへへ、カカオしちゃおっかな。
いやでも仕事中だし…。
JI「先輩、ニヤニヤしてないで仕事してください。」
「ひぃ、ごめんなさいジョンインくん…！」
なんでもお見通しみたいだ、この後輩くんは。
私は仕方なく背筋をピンと伸ばして、デスクに向き合った。
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作者名：nel_ | 作成日時：2019年12月15日 23時
