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GS「思い詰めた顔して、どうしたの?」
テーブルに並ぶ私が途中まで作った料理は、ギョンスオッパの手によって別の料理になっていた。
…オッパ曰く、食材にあった使い方に変えただけだから気にするな、と。
それはつまり、私の料理が下手だったからオッパが美味しくしてくれたということ。
GS「もしかして僕が家の事を全部やってるから、気にしてる?」
「うん…。だって私いつも迷惑かけてばかりだし1人じゃ何も出来ないし…。」
GS「その事なら気にしないで。僕がやりたくてやってるんだから。」
優しく微笑むオッパだけど、やっぱり甘えすぎだよね。
「決めた!私一人暮らしする!」
GS「え!?」
「ちょっとオッパ!キムチこぼしてるって!」
オッパは動揺してるみたいで、ただでさえ大きな目をさらにまん丸にさせている。
「そんなに驚くことじゃないって。私が一人暮らしした方がオッパも気が楽でしょ?」
GS「いや、逆に心配で気が気じゃないよ…。」
「私が言うのもなんだけど、オッパも妹離れした方がいいよ!」
GS「…そう、かな…。」
悲しそうに俯くオッパに罪悪感が湧き上がるけど、このままでは私はダメになってしまう…きっと。
それに、オッパのためにもそうした方がいい気がする。
GS「Aが決めたことなら応援するけど…、困ったことがあったらすぐ僕に連絡するんだよ。あとあんまり遠くに行って欲しくないな…。」
眉間にシワを寄せて考えるオッパに、自然に笑みが零れる。
ただ一人暮らしするだけなのにこんなに心配してくれるなんて、愛されてるなぁ。
私たちは血の繋がった兄妹じゃないけど、オッパはこんなにも私のことを思ってくれて本当に幸せだ。
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GS「A、起きて。もう時間ないよ。」
布団を剥がされて身体を揺さぶられる。
「…あと5分…。」
GS「もう遅刻しちゃうよ。…本当にこんなんで一人暮らし出来るのかなぁ。」
寝ぼけ眼でスマホを手元に寄せ、表示された時刻に目を見開く。
「え、もうこんな時間じゃない!どうしよう!急がなきゃ!」
GS「だから言ったでしょ。言っとくけど僕は何回も起こしたからね。」
ぶつぶつと小言を言っているオッパを突き飛ばし洗面所に向かい支度をする。
「ごめんご飯食べてる時間ない!」
GS「そうだと思って包んだから会社で食べて。」
一人暮らしの決意が揺らぐくらい、オッパは完璧すぎる。
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作者名:nel_ | 作成日時:2019年10月18日 22時