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…オッパ、どうして?
いくら私のことを思っていたって、私の大切な人を悪くいうのは違うよ。
「…ごめん、ちょっと部屋行く。」
少し、オッパに対して不信感を抱いてしまったのは事実。
GS「A。」
すぐ後ろにギョンスオッパが居ることがわかったけれど、何故か振り向くことが出来ない。
…いや、振り向いてはいけない気がした。
「…何、オッパ。」
GS「…Aはさ、いつまでも僕に守られていればいいんだよ。」
ゆっくりと手を握られて指を絡めれば、ギョンスオッパの温かい体温が伝わる。
…はずなのに、どうしてこんなにも冷たいんだろう。
思い出すのは、気持ち悪いあの感覚に似ていて。
「離して。」
GS「…ふふ、ごめんね。おやすみ。」
すぐ腕を振りほどいて自室に戻る。
ドアを閉めて一息ついて、スマホを握りしめた。
…やっぱり、今日のオッパはおかしい。
あの時の恐怖や不安が押し寄せてくる。
…ダメだ、今日はもう寝よう。
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昨日の疲れが出たのか、目が覚めたのはお昼すぎ。
幸い休みだったから良かったけれど、さすがに寝すぎたかな…。
いつもならこの時間はオッパがご飯を作ってくれてる時間だけれど、今日は物音がしないから居ないのかな?
まあ、普段からオッパは物音を立てないけど。
でも何だか、オッパが居なくて安心している自分もいる。
昨日のことを思い出すと、とても胸が苦しくなるから。
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休日だからと暇を持て余してネットサーフィンをしていた。
オッパはまだ帰ってきていないから、共有のパソコンで賃貸物件を探す。
不動産のサイトなんて見たことなかったから、見方がよく分からなかったけれどとりあえずスクロールしてみる。
本格的に引越しの準備を始めたのは、自立するためっていうものあるけれど。
昨日の一件で、オッパから離れたいっていう気持ちが強まったのも理由の一つに加わった。
会社の近く…いや、お得意先と会社の中間地点あたりがいいかな?
家賃は出来るだけ抑えたいけれど、セキュリティ一最優先でいこう。
GS「何見てるの?」
「うわっ!びっくりした!」
突然耳元で囁いてきたのは、他でもないギョンスオッパ。
慌ててパソコンを閉じてスマホをいじる。
GS「へえ、A物件見てたんだね。」
目を細めて少し笑う。
GS「…そんなに僕から逃げたいの?」
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作者名:nel_ | 作成日時:2019年10月18日 22時