【EXO】お得意さま (ページ44)

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Sehun side

ジョンデヒョンは大して面白くもないこの男の話を嬉々として聞いている。

…ベッキョンさん、Aさんの事が好きすぎてムカつく。

BH「でね、Aのヤツ拗ねて帰ろうとするんですよ！」

なんだよ、その可愛すぎる話。

でもそれをベッキョンさんが知ってるのは許せない…、仕方の無いことだけれど。

案外僕は表情が顔に出るみたいだから、一応隠すように俯いて彼の方を見た。

犬みたいに人懐っこくて整った綺麗な顔、明るくて嫌味がない性格。

…どちらかと言うと愛想がない僕とは正反対だ。

でも一つ訂正しておくと、愛想がないのは興味が無い人間だけ。

興味のある人――すなわちAさん――なら話は別だし、ストレートに感情は伝える。

BH「セフンさん聞いてます？俺の話そんなにつまんないかなぁ～。」

ニッと口角をあげて上目遣いで思ってもないことを聞いてくる。

クソ、早くこの場から逃げたい。

というか逃げよう、彼女のところに。

モタモタしてたらベッキョンさんに取られるからな。

SE「あ、僕ドリンク注文しますけど何か飲みます？」

JD「ビール。」

BH「俺はいいです、ありがとうございます。」

よし、この調子で全員聞いたところでAさんの所に行こう。

周りを見渡してAさんがどこに居るのか探した。

…あれ、居ない。

仕方がないから近くに居た彼女の親友のソアさんに聞いてみる。

「…あの、ソアさん。Aさんはどちらへ？」

SA「えー？さっきお手洗いで見たけど…そう言えば随分帰ってきてないわね。」

ねーチャニョラー？って顔が少し赤い彼女はご機嫌だ。

こら、チャニョリヒョンもニヤニヤしないで。

というか、随分帰ってきてないって大丈夫なのかな？

とりあえず、様子を見に行った方がいいよな。

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「あの、退いてください…。」

…最悪だ、何この人たち。

お手洗いを済ませて席に戻ろうとしたら、完全に酔っ払ってるサラリーマン達に包囲されてしまった。

なんか詰め寄ってくるし、本当に気持ち悪い。

「なあ～俺たちと飲もうよ～、奢るからさ～」

「結構です。あの、本当にやめて…。」

どんどん迫られてもう逃げ場がない。

うう、本当に触らないで…。

思わず泣きそうになりギュッと目を瞑ったら、何者かに手を握られた。

…最悪、絶対あの気持ち悪いサラリーマンだ。

吐きそう、早く手洗いたい。

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