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顔を真っ赤にして床で寝転んで…というか、息絶えたというか。
とにかく、肩で息をしていて目も虚ろなベクはどう見ても風邪を引いていた。
「うわ、ベッド行かなきゃ！てか熱いし熱計った？」
BH「…計ってない。」
急いでベクに近づいてベッドまで運ぼうとするんだけど、結構重労働だな。
「うう…重い…じゃなくて、もうちょっとでベッドだから頑張って！」
BH「A…遅刻するからもう荷物持って行けよ…。俺は自分でなんとかするから。」
「こんなんで自分でなんとか出来る訳ないでしょ！なんでベッドで寝なかったのよ！」
BH「だって…、Aが帰ってきた時に俺が寝てたら、Aが床で寝ることになるだろ…。」
そ、そうだけど…！
「ごめん、ちゃんと連絡しなかった私が悪かった。責任取って今日は看病させて。」
BH「…いいって。それより、今日Aが休んだ方がせっかく出張に来たのに意味ないだろ。お得意先との信頼に関わる。」
確かにベクが言っていることは正論だけど…！
「…なんとかする。」
私が出来ることなら何でもするから、今はベクの方が心配だ。
「とりあえず連絡入れるから水飲んで休んでて。私と会社のことは気にしなくていいから。」
ベクをベッドに押し付けて冷蔵庫に入っていた水を差し出した。
部屋を出てスマホを取り出す。
"オ・セフン"
そっとタップして呼び出し音に耳を傾ける。
…1コール。
SE「…Aさん？」
「セフンさんお疲れ様です、Aです。」
セフンさんは驚いたような、少しだけ高い声色で私の名前を呼んだ。
「あの、うちのビョン・ベッキョンなんですが、体調不良なので休ませます。本当に私の管理不足で申し訳ありません。」
ベクとは同い歳だけれど、私は新卒採用で入ったのに対しベクは中途採用だから一応私が上司になる訳で。
SE「…わかりました。では今日はAさんはベッキョンさんの傍にいてあげてください。…彼も一人だと心細いだろうから。」
優しくて柔らかいセフンさんの声。
本当はその優しさに甘えてはいけないことはわかっている。
社会はもっと厳しくてこんなことは許されない。
だけど、今だけはセフンさんに感謝して明日から挽回しないと。
「…本当に申し訳ありません。…それと、ありがとうございます。」
SE「いえ、お大事に。Aさんも伝染らないように気をつけてください。では、失礼します。」
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作者名：nel_ | 作成日時：2019年10月18日 22時
