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SE「コーヒーと紅茶、どちらにしますか？」
会議も中盤に差し掛かり、一息つこうとセフンさんがお茶を出してくれることになった。
「あ、えっと…、コーヒーで。」
砂糖は入れずに、ミルクだけ。
私がコーヒーを飲む時はそれが決まりだった。
SE「はい、どうぞ。」
セフンさんが出してくれたコーヒーはブラックで、一緒に砂糖とミルクを置いてくれた。
何だかコーヒーを出してくれるセフンさんがジョンインくんに重なったけれど、ジョンインくんなら言わなくてもミルクを入れてくれる。
でも、せっかくだからブラックでコーヒーを味わってみる。
「…もしかして、マンデリンブレンドですか？」
SE「はい。僕、マンデリンブレンドが大好きで。」
「えっ！？私も大好きなんですよ！」
びっくりしてしまって、思わず声が大きくなってしまった。
「あっ、いきなり大声出しちゃってすみません…。初めて同じものを好きって言ってくれる人に会えたので…。」
マンデリンなんて少々マニアックなブレンドを好きって言ってくれるなんて、案外好みが合うのかなぁ。
SE「そ、そうなんですか…。良かったです。」
あれ？少し動揺した？
そりゃあ、いきなり大声出したら誰だってびっくりするけれど…私にとってはあの無表情なセフンさんが感情を出してくれたことが驚きで。
「ふふ。」
何故か嬉しくて、思わず笑みが零れる。
SE「…僕、何かおかしかったですか？」
今度は少し拗ねた様子だった。
…でも、不思議と最初に感じた威圧感はなかった。
ちょっとセフンさんと仲良くなれたって自惚れてもいいよね？
SE「でも、笑ってくれて良かったです。…最初、僕のこと凄く警戒してたように見えたから。」
「えっ…。」
まさか、気付かれていたなんて。
変な心配させちゃってたのかなぁ…。
「えっと…すみません。そんなつもりはなかったんですけど…。」
SE「…いえ。誰でも最初は僕のことを怖がるんです。」
…そうなんだ。
私、勝手に怖い人だと思い込んでセフンさんと距離を取ってたかも。
「…ごめんなさい、私とっても失礼な態度を取ってました。」
SE「あ、いえ全然。…今誤解が解けたならそれでいいんです。…あわよくば、僕のことを意識してくれればいいなぁ、なんて。」
「…へ？」
…そんな風にはにかんで目線を逸らすなんて。
少しセフンさんのことをわかった気でいたのに。
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作者名：nel_ | 作成日時：2019年10月18日 22時
