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BH「…ごめん、俺のせいで…、こんなにもボロボロなのにまた傷付けて。」
気付くとベクの身体に包み込まれていて、思わず背中に腕を回して抱き締めた。
「…ベクのせいじゃない。私だってベクに依存してた。」
互いに同じレベルで罪を犯していたなら、咎める必要なんてない。
ただ、これからの二人を考えよう。
BH「でも、だからって自分を傷つける必要は無い。」
「…わかってないよ、ベクは。私…、」
"ベクなしじゃ生きていけない"
少し躊躇ったあと、慎重にそう伝えた。
目を見開いた後、少し口角を上げたベクに期待してしまう。
『それじゃあAを殺してあげる』とか、『お前を殺して俺も死ぬ』とか、もうベクの手で終わらせてくれるのを約束してくれる言葉が欲しかった。
でも次に紡がれた言葉は全くの正反対で私が一番恐れていた答え。
BH「…俺を殺して。」
気味が悪いくらいに綺麗に笑った。
それなのに、私を映す瞳は澄んでいて嘘偽りなんてない。
彼は床に落ちていたナイフを私に握らせた。
離そうとしても、ベクの綺麗な手がしっかりと重なってそうさせてくれない。
「いや！やめて！ねえベクお願い！」
震える手で抵抗しても力の限り叫んでも、ベクの決心が揺らぐことはなかった。
背中に流れる嫌な汗と不規則な呼吸を止めることなんて出来なくて、必死に目で訴えた。
「ねえベク…！」
私がナイフを引こうとしても、ベクはしっかりと自分の心臓を目掛けて力を入れる。
こんな時でも叶わない自分の力のなさに涙が溢れてくる。
ベクは依然として心から幸せそうに笑った。
BH「…A、愛してる。」
最後の言葉はシンプルだった。
ベクは穏やかに笑った後、嘘みたいにナイフを身体に目掛けて刺した。
すっと、肉が切れる感覚を覚えて目の前が真っ暗になる。
…私、ベクの事殺しちゃった？
ねえベク、訳がわかんないよ。
教えてよ、私はこれからどうすればいいの？
答えてよ、早く目を覚まして。
…混乱してるだけで、これは夢なんだ。
そもそもこんな生活自体なかったんだ。
堕天使とか吸血鬼とか、ありえないでしょ。
何を寝ぼけた事言ってたんだろう、私。
ベクなんて居なかった。
私は幻覚を見てた。
さぁ、早く目を覚まそう。
曇りも偽りもない、綺麗な世界に戻ろう。
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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…！！今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした！！これからも応援しています！ (2020年3月24日 16時) (
レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください！ (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nel_ | 作成日時：2020年2月2日 1時
