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JI「姫、こんにちは。」



「ジョンイン王子、こんにちは。来て下さってありがとう。」



眩しいくらいの笑顔で迎えてくれたジョンイン王子。



甘くて綺麗な声は透き通るようで、エスコートも完璧。



策略婚じゃなかったらもっと明るくて綺麗な人と結婚したかっただろうに、私みたいなのとなんて気の毒だわ。



…なんて、少し他人事みたいだったかな。



JI「…何か、考え事ですか?さっきから返事が上の空ですよ。」



「あ…、ごめんなさい。」



JI「悩み事でしたら、私で良ければ相談に乗ります。」



「…そうですね、お言葉に甘えようかしら。」



私にはどうにも出来ない事だけれど、誰にも言えない悩みだから…。



彼なら、少し寄り添ってくれるかな。



「…早くこの戦争が終わって、世界中の人が平等に幸せになれればいいのに…。私じゃ無力で何も出来ないのが悔しいの。」



言ってから、彼の表情が曇った事に気が付いて慌てて訂正しようと思った。



どうしよう、軽蔑される?



何れにしても彼を困らせた事になるのだろうか。



「っ、ごめんなさい!こんな事言われても困りますよね!」



すぐに作り笑いをして誤魔化そうとすると、視界が真っ暗になってジョンイン王子の香りに包まれた。



…抱きしめ、られてる?



JI「…貴女は、優しいですね。」



少し悲しそうに呟いたジョンイン王子は、さらに抱き締める力を強めた。



JI「…こんなにも守りたくなる人は貴女だけです。芯は強いのに、繊細で儚くて消えてしまいそうなんだ。」



身動きが取れないジョンイン王子の胸の中で、こんな経験がない私は鼓動が早まりすぎてどうにかなってしまいそう。



「あ、の…、」



辛うじて出た言葉は、いたずらに宙に浮いて消える。



JI「ふふっ。こういう事をされるのは初めてですか?顔が真っ赤だ。…可愛らしいです。」



可愛らしい、だなんて…、チャニョリオッパにしか言われた事がない。



恥ずかしさで耐えられなくなった私は、思わずジョンイン王子から離れて逃げてしまった。



JI「あっ、姫!待って!」



慌てる王子の声を背に、熱が冷めるように必死に走った。



どうしよう、恥ずかしくて死んでしまいそう。



ドレスを汚さないように、転ばないように走るのは意外と難しいけれど、何とか平常心が戻ってきた頃には見知らぬ場所。



…道に迷ったと悟るには時間は要さなかった。



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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…!!今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした!!これからも応援しています! (2020年3月24日 16時) (レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください! (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nel_ | 作成日時:2020年2月2日 1時

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