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「私、前の職場に行ってみたい。」
事故が起きてからセフニが退職届を出したという、前の職場。
セフニは、今までの仕事も覚えてないし向こうからクビにさせられたのを辞職という形にしたと言っていた。
…でも、前のオフィスを見たら何か思い出すかも知れない。
SE「…Aヌナには悪いけど、迷惑だから止めた方がいいよ。それに、無理して思い出さなくてもいいんだよ。これから僕と一緒に居てくくれば――」
「確かめたいの。昔の私がどんな生活をしてたか。」
チャニョルさんは何者なのか。
どういう関係だったのか。
セフニは少し困った顔をした後、すぐに笑ってみせた。
SE「でも――」
「セフナ、ダメかな…？」
どうしても確かめなきゃいけない気がするんだ。
どうしてチャニョルさんはお見舞いに来た病室であんなにも悲しそうな顔をしていたのか。
SE「…どうしてAヌナはわかんないの！？僕こんなにもヌナの事を思ってるんだよ！？ヌナは何にも考えずに僕の隣に居てくれればいいんだよ…？それに、ヌナは僕が居ないと何も出来ないの！」
セフニは突然声を荒らげてそう叫んだ。
私の肩を揺すって、真っ直ぐだけれどどこか懇願する様でもあった。
初めて感情を爆発させる所を見て、私は思わず恐怖を覚えた。
「ご、めん…。私、セフニにそんなに迷惑かけてたんだ…。」
恐怖から涙が溜まってしまい、逃げ出したくなる。
SE「ヌナ、ごめん…。僕心配で…、本当に、ごめん。嫌いにならないで…。」
優しく抱き締められて、離してくれない。
…セフニも、きっと辛いんだ。
一向に記憶が戻らない私と居ても辛くなるだけだよ。
でもセフニは優しいから、ずっと隣に居てくれてるんだね。
私はセフニに自由になってもらうべきだと思った。
「…私、記憶は戻ってないけれど病院に戻りたい。このままセフニに迷惑かけれない。」
SE「…迷惑だなんて少しも思ってないよ。というかお願い、傍にいて欲しい。」
セフニもまた泣きそうになるのを堪えながら言った。
風がよく通るこの家に雨が入るのは容易い。
水滴が家の中を侵食していく様に、私たちの関係にも何かが侵食しているようだった。
遠くで雷鳴が響く。
きっと誰かが叫んでるんだろう。
でもこの特別なようで平凡な生活は、普通だからこそなかなか終わりを告げてくれない。
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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…！！今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした！！これからも応援しています！ (2020年3月24日 16時) (
レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください！ (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nel_ | 作成日時：2020年2月2日 1時
