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走りながら握り飯を食べ終えたAは、口を開く。
『そもそも、何故杏寿郎が?』
「君の所の鴉が俺を呼びに来た」
『ええ?』
何故鴉。不思議でならない。
「君が会いたがっていると聞いたが?」
『う〜ん………え〜?
……………ああ!そうでした。今度一緒に打ち込み稽古でもしたいなあと思っていたんです』
「A、昨日風呂デ言ッテタ!」
鴉の声に頷く。
『言いました言いました。
でも、何故それを空が知っているんです?手紙を届けたのでは?』
空、とはAの鎹鴉の名前である。
「アレカ!隠ノ男ニ頼ンダ!」
『こら、またそうやって人に迷惑をかける。
まったく、俺を見習ってください』
説教じみたことを言うAに、煉獄は声を上げた。
「よもや、今日の朝俺に起こされたのは誰だったか!」
『すみません。以後気をつけます』
ハハハッと煉獄は笑い、2人はお館様の屋敷の敷地外で待つ、隠の元へ向かった。
ーーーーー
「__今日はこれで終わりだよ。
みんな、これからも頑張ってね」
「『御意』」
お館様が部屋に戻り、柱達は立ち上がる。
Aは、大きく伸びをした。
「Aさん」
声をかけられ、振り向く。
『しのぶじゃあないですか、お久しぶりですね』
その言葉に胡蝶はニコニコと微笑む。
「ええ。久しぶりですね。
__これ、そろそろ無くなってきたと思ったので」
スっと差し出された紙の包みを受け取る。
『ありがとうございます。あと少ししか無かったので助かりました』
「…どうですか?少しは緩和されますか?」
『そうですねぇ、前よりは良くなりましたよ。
忘れてて飲まないと直ぐ…ほら』
Aが差し出した手を胡蝶はそっと握る。
「……氷よりも冷たいですね」
『その分心は温かいんだろうと思って前向きに…』
「馬鹿なこと言わないでください」
『はい、すみません』
切り捨てるような鋭い言葉に、Aは素直に謝る。
「Aさん、ご自分のことなんですから。
もっと、身体を大切にしてくださいね」
そう言うと胡蝶は去って行った。
その姿を見送る肩に、腕を置かれる。
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いおり(プロフ) - とってもドキドキして、続きが気になりまくりです……!!更新楽しみにしてます! (2022年12月12日 19時) (レス) @page30 id: c0ee6ff83c (このIDを非表示/違反報告)
シエルくん。 - めちゃ面白かった!! (2022年11月28日 19時) (レス) @page30 id: 82384aca28 (このIDを非表示/違反報告)
ドングリ - 続きが気になるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ(ΦωΦ) (2021年7月10日 15時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
猫の恩返し(プロフ) - ほう、、、覚悟はいいですか?(黒笑) (2021年5月23日 0時) (レス) id: 3ce4a98013 (このIDを非表示/違反報告)
皐月蒼&夜/夜月(プロフ) - らんかさん» コメントありがとうございます!!本日更新させて頂きましたので、是非お楽しみください〜! (2021年2月9日 11時) (レス) id: 1190da7c8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜月 | 作成日時:2021年1月3日 0時