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翌日、Aは実家のある山の下の町を歩いていた。

年越し蕎麦用の汁の出汁の匂い。風呂を沸かす為の薪を燃やす匂い。煙管を吹かした煙の匂い。

それらを感じとる暇もない程に、Aは町では顔が知られていた。

「あら!Aじゃない!久しぶりね!!」

『あ、どうも。お久しぶりです〜』

笑顔で挨拶をすると女性たちから黄色い歓声が上がる。

すると、後ろから肩を叩き声をかけてくる男性。

「久しぶりだなあ!

お前はこの辺じゃ1番の色男だからなあ!お前がいると直ぐ俺はハブられ者だ!」

「アンタは元からだよ」

男性に妻から鋭い突っ込みが入り、ドっと笑いが起こる。

「こんな所で時間取らせるんじゃないよ。

久しぶりに帰って来たんだろう?早く家族に顔見せてやんな」

近くにいた高齢の女性が声を掛けると、町の人々は別れを言い、それぞれ引き上げていった。

それぞれに返事をしつつAは山に入り、家を目指した。



ーーーーー

山を登りながら、Aは手のひらに息をかけ、擦り合わせていた。

『いつもと違う格好は少し落ち着かない……』

隊服は包んで荷物に入れてある。

そろそろ家が見えてくる__自然、顔がほころぶ。

『みんな、元気にしてますかねぇ…』

「あ!!!兄ちゃん!」

『おや』

声のする方を向くと、左側の奥に炭治郎、竹雄、茂の姿があった。

竹雄が1番に飛び出し、次に茂、最後に籠を持ち上げて背負った炭治郎が走って来る。

「よっしゃー!俺が1番乗り__うわっ」

近くまで来た竹雄が雪で足をもつれさせ、勢いで身体が宙に浮く。

刹那、Aは踏み込み、落ちてくる竹雄に合わせ、下に滑り込んだ。

『………っと』

そのまま2人で雪に倒れ込む。

「あははは!兄ちゃんすげぇや!」

『まったく……気を付けてね』

起き上がった2人の元に炭治郎と茂が追い付き、抱き着いた。

「兄ちゃん久しぶりー!」

右腕に摑まる茂に久しぶりだねえ、と声をかけ、炭治郎を見る。

『炭治郎も。

俺がいない間もみんなをちゃーんと守ってるみたいだね』

その言葉に炭治郎は笑顔になる。

「うん!まだまだ兄さんみたいにはなれないけど…」

炭治郎にギュッと抱き着かれる。

しばらく話した後、Aは立ち上がった。

『さて、早く家に帰ろうか』

炭治郎が背負って来ていた籠を背負い、荷物を抱える。

「兄さん、それ俺が持つよ!」

慌てた様子で炭治郎が言うが、『ここは兄ちゃんに任せなさい!』とAは笑った。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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いおり(プロフ) - とってもドキドキして、続きが気になりまくりです……!!更新楽しみにしてます! (2022年12月12日 19時) (レス) @page30 id: c0ee6ff83c (このIDを非表示/違反報告)
シエルくん。 - めちゃ面白かった!! (2022年11月28日 19時) (レス) @page30 id: 82384aca28 (このIDを非表示/違反報告)
ドングリ - 続きが気になるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ(ΦωΦ) (2021年7月10日 15時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
猫の恩返し(プロフ) - ほう、、、覚悟はいいですか?(黒笑) (2021年5月23日 0時) (レス) id: 3ce4a98013 (このIDを非表示/違反報告)
皐月蒼&夜/夜月(プロフ) - らんかさん» コメントありがとうございます!!本日更新させて頂きましたので、是非お楽しみください〜! (2021年2月9日 11時) (レス) id: 1190da7c8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜月 | 作成日時:2021年1月3日 0時

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