chapter 10 ページ11
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ご迷惑をおかけしてすみません、と本当に地に埋まるほどの勢いで何度も伝えたのち、父が外回りついでに拾って病院に連れて行ってくれることになったのでせっかくの休日の練習を早々に抜けることになった。
私はいったいいつの間にこんなに注意力散漫になっていたのだろうかと後悔する。
まちのお医者さんみたいな接骨院に行ったけれどただの捻挫で、激しい運動じゃなければ歩くのは一向にかまわないとお墨付きをもらい、それをそのまま部長である澤村さんに送って、あとは勢いのままにベッドにスマホを放り出した。
「山口君の背中、たくましかったなぁ……」
誰にも聞かれていないからと油断して、言わないようにと思っていたことを口からこぼしていく。当たり前だけれど、男の子なんだと思った。
軽々と私を持ち上げてしまうこともそうだし、俺だって運動部だからね、と笑うところもそうだ。
何が、とか、どこが、なんていうのはきっと関係なく。
ただひたむきに、あきらめずに頑張って、内側から強く輝いている山口くんに、いつの間にか惹かれていたのだ。
そして多分、今更自覚した私の気持ちに、もっと前から月島君が気付いていたからこそのアの言葉だったんだろう。冷静というか、やっぱりよく人のことを見ている。
さて、いまさら自分の淡い恋心を自覚したわけだけれど、だからといってこの気持ちを伝えようと思っているわけではないから、明日からはいつも通りにしていなくてはいけないのだけれど。
私にそんなこと、できるのだろうか。
続く (更新停止中)
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あめ - 面白いです！！更新楽しみにしてます… (2022年2月8日 19時) (
レス) id: aca36a2c7b (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 山口忠の小説が少なすぎるので嬉しすぎますし、面白いです…更新楽しみにしてます！ (2021年3月23日 2時) (レス) id: 85ad8c6978 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：地下2階 | 作成日時：2021年3月18日 23時
