やぶ病院は知っている

IBO作戦 ページ16

「パンクロニウムが検出されたからには、もう、警察に言うしかないと思うんだ。」

そうだよね…。

「何を言っているんだ小塚。我がkzで突き止めたことを警察に渡すほどバカらしいことはない。最後まで我々でやるんだ！」

あぁ、若武だからなぁ…。

「その前に、俺らは窃盗をして、この結果に至っているんだ。それを警察に言ったって、調査はしてくれるだろうけど、俺らの罪も見逃さないと思うよ。」

あぁ、さすが黒木くん、冷静だ。

「でも、このままそっとして置くと、何人の命が失われるか分からないよ。僕は、どんなことをしてでも、kzの手で事件を解決する。」

『したい』じゃなくて、『する』と言った小塚君には、いつもの小塚君からは感じられない熱意が感じられた。

「待てって。まずは、院長を脅そうぜ。脅しが効かなかったら、その後はその後で考えればいい。」

げっ、脅すのぉ…？

「でもそれって、危険でしょ。人の命をなくすことに躊躇いを持たないような人は、何をしでかすか分からない訳だし。」

そうだよ。

「一か八かでやんなきゃいけないと思う。失敗したら、その時はその時だ。しょうがない。」

え…。

「よし、決を取る。この、一か八かで脅そう大作戦、略してIBO作戦に賛成の者は手を挙げろ。」

若武が、作戦名をローマ字読みで略したのは初めてではなかったので、誰も驚いて居なかった。

「よし、アーヤ以外は賛成と言う事で、IBO作戦は実施する。各自この事件について、調べておけ。じゃあ、解散っ！」


え、嘘…。

大丈夫かなぁ、私…。

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