三月八日 ６個目 XLIV ページ15
『ああああ…！！ど、どうすれば！？』
絶望的な状況に最早、手の成しようがなくなった私。とりあえず、トロフィーの欠片を拾い集める。甲斐くんも一緒に拾う。
拾い終わった後、どうすればとアタフタしていると、甲斐君がまたロッカーに入る。それしかないと思い、私も入る。
坪井先生は、一つ一つ鍵を開けていき、確認していく。ついにこの教室まで来る。
坪井先生は何故かこの部屋だけ念入りに見る。
「…何か変だ…。」
そんなことを呟きながら、部屋を動き回る。足音がどんどんロッカーに近づく。もうダメか。そう思った刹那、着信音が響く。
坪井先生は「こんな時に…。」と愚痴を吐きながら、教室を出て行き、鍵をかけた。
危なかった…。九死に一生を得る。と言っては大袈裟だが、そのレベルな気がする。
静かにロッカーを開け、慎重に出る。
『どうする？』
小声で呟く。
「そこら辺の床に置いとけばいいだろ。」
まぁ。そうなのだが。とりあえず、それ以外に方法が思いつきそうにないので、偽装工作をする。
問題は、今から如何にして坪井先生にバレずに美術室に行くか。
「お前結局どこ行くんだよ。」
『美術室。…バレずに行けるかどうか…。』
甲斐君は、私の事を鼻で笑って扉に進んでいく。なぜ笑われたのかわからない私は、ただひたすら後ろについて行くだけだった。
甲斐くんのフォローもあり、無事美術室に辿り着けた私達だが、鍵がない。
『鍵…。』
そうボソリと呟いた私を一目見たあと、ポケットから鍵を出す。
『持ってるなら、早く言ってよ！！』
だんだん甲斐くんといることにも疲れてきた。そんなことを気にする様子もなくどんどん進んでいく甲斐くん。
美術室に入り、自分の机を探したが、無い。他のところや、先生の机。準備室も調べるが、無い。
いよいよ焦り始める。
『なんでないの…。』
もう無理だろうかと諦めかけた時、甲斐くんに声をかけられる。
「これか？」
その手元には一冊のノートがあった。確かに私の探していたものだ。
『なんでそれを…。』
「さっき拾った。」
なら、もっと早く言えよ。よ突っ込みたくなるが、グッと堪える。事実、彼は見つけてくれたのだ。
『ありがとう。…はぁ。それにしても、疲れた。』
夏ということもあり、暑さが体にまとわりつく。少しでと涼しくなればと思い、窓を開けた。
『あ。少し涼しい。』
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語夏(プロフ) - 蒼炎さん» 最新作にもコメントくださり、ありがとうございます！！本当に長い間待ってくださってありがとうございます。迷惑ばかりおかけして申し訳ないです！！なんとか亀ペースながらも更新できるように頑張っていきたいので、応援よろしくお願いいたします！ (2020年6月25日 0時) (
レス) id: 04c826bf0b (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 続きがとても気になります！更新待ってます！ (2020年1月9日 18時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
語夏(プロフ) - しろさん» 続きが楽しみと言ってくださったのに1ヶ月もお待たせしてすみませんでした！！更新したいという気持ちはあるのですがなかなかリアルが忙しくまだかなり遅いペースになってしまいますが、気長に待っていて欲しいです...。わざわざコメントありがとうございました！ (2019年10月11日 18時) (レス) id: 4869204ec8 (このIDを非表示/違反報告)
語夏(プロフ) - 千歳さん» 本当に何ヶ月もお待たせしました！急に更新が止まってしまってすみませんでした！！コメントまでわざわざありがとうございます！！これからも期待に応えられるようにカメさんペースにはなりますが、更新していきますのでよろしくお願いします！ (2019年10月11日 18時) (レス) id: 4869204ec8 (このIDを非表示/違反報告)
語夏(プロフ) - 美さん» 大変お待たせしました！！本当に遅くなってすみません！！楽しみだと言ってくださったのに本当に罪悪感でいっぱいです...。これからも今までのペースとは違いますが更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします！！ (2019年10月11日 18時) (レス) id: 4869204ec8 (このIDを非表示/違反報告)
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