お前ら日常コントの神か【Fischer's】 (ページ10)

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出会いその4 ページ10

あれは...中2の時だったかな。

俺は中学に上がってから、ずっといじめを受けていた。殴られるわ蹴られるわ物隠されるわでいいことなんて無くて。

歌うことは好きだったけど、それすらも下手だってバカにされて。

でも、バカにされたからこそ、自分の好きなことだけは壊されたくなかった。

だから、たまに1人でこっそり、誰も来ないような空き教室で静かに歌ってたんだ。

その日も、散々いじめられて身も心もボロボロになった俺は空き教室に行った。

「♪～」

なんとなく即興で作った哀しい感じのメロディを口ずさんでいた時だった。

ｶﾞﾗｯ

「～...っ...誰？」

急に教室の扉が開いて誰かが入ってくる気配がした。

でも、俺は振り向けなかった。

もし俺をいじめてる奴らだったら？そう思ったら怖くて、代わりに問いかけることしかできなかった。

『驚かせちゃったっぽいね。ごめん、先生とかじゃないから大丈夫』

返ってきたのはあんまり高くない、けど女子だと分かる声。聞き覚えはなかったから俺の知らない子かな、と安心して振り向いた。

「ん...と、俺に何か用？」

『え？いや用事は特にないんだけど、通りかかったらなんか聞こえてきて、ここ普段使われてないからなんだろうなーって思って入ってみた』

「...聞こえてた？」

『微かにだけどねw私耳いい方だから多分他の人は通っても気付かないんじゃない？』

廊下に漏れるような音量だったかと一瞬不安になったが、『彼女』の言葉に胸をなで下ろす。

『それにしても君歌上手いね。微かにだったけど、メロディ聴いただけで分かる』

「...なんでそんなこと分かんの？俺皆に下手って言われるのに」

『私、絶対音感あるから。それに耳は肥えてますんで。君音にあんまりブレがないし、もっと上達すると思うよ？上から目線で言われてもイラつくかもだけどw』

初めて上手いなんて言われた。俺の歌を、好きなことを褒めてくれる人がいた。

それだけで、一気に世界が変わって見えた。

上から目線とかイラつくとか思わなかった。むしろそう言ってくれることが嬉しかった。

「...ううん、褒めてくれて嬉しいな。良ければまた来てよ。俺の歌、聴いてほしい」

『...もちろん！』

これが、俺、ぺけたんと『彼女』＿＿＿茜との出会い。

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すいません、明日から今週まるまるテストがあるんです...。

なので3～4日ほど更新できませんが、ご理解のほどよろしくお願いしますm(*_ _)m