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『おはようございます』



現場に入り挨拶をするとスタッフの人達が一斉に振り返り不安げな顔をしていた



そしてイスに座っている悟を見つけて少し胸が痛んだ




『皆さんどうしたんですか?』



「Aちゃん、今日の撮影内容聞いてるよね?」



小さな声でスタッフさんが私に耳打ちする



『えぇ、理想の恋人ですよね?』



「え、えぇ……そのほら、五条くんとは……」



凄く気をつかいながら話してくれるスタッフさんに笑顔を向ける



『大丈夫です。』



ーーーーーーーーーーーーーーー


前までとは違う少し緊張感のある撮影現場



いつもなら悟が私に甘えて和やかな空気が流れる



こんな空気の中、理想の恋人なんて大丈夫なのか?という雰囲気が伝わる



でも、私も悟もプロ



付き合っていた時の様な雰囲気を一瞬にして作り出し撮影を進める



「Aちゃんこれ元々最後キスのカット入れてたんだけど……どうする?」



『私はいけますよ、でもその角度ならフリだけで良さそうですね。こちらで上手くやります。』



そう言って悟の所に行く



『五条さん、最後のキスの所ですが角度的にフリでいけそうなんでそういう事でお願いしますね。』



「ッッ分かった……ねぇ」



『何ですか?』



「撮影の間だけでいいから悟って呼んでくれない?」



今にも泣き出しそうな彼の顔を見るとすぐにでも抱きしめてあげたくなるが、あの写真が浮かんで冷たく返す



『すみません、お断りします。
では、最後お願いしますね。』



そう言って彼から離れる



ちょうど撮影も再開のようだ



「じゃあ、最後のキスの場面お願いします!」



いつもなら本当にキスをしていた



けれどもう私はしない。



そしてカシャ、と音が鳴り撮影終了ですと声がかかる



『お疲れ様でした、失礼します。』



そう言って事務所に向かった









(そんな顔しないで。)
(もう君は僕を見てくれない)
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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 完結   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:アリス | 作成日時:2021年3月1日 18時

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