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「Aさん疲れてないですか?」
『大丈夫だよ、恵こそ色々付き合ってくれてありがとう!』
「いえ、楽しんでもらえたなら良かったです」
『恵は優しいねー』
「普通です。」
『ふふ……楽しかったねぇ』
そう言うAさんは少し悲しそうに見えた
「……そろそろ寝ますか」
『そうだね!明日は朝から撮影なんだ〜』
「頑張ってください、お休みなさい。」
そう言って隣の部屋に行く
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少しすると横の部屋から微かに泣き声が聞こえた
そして今日のとある出来事を思い出す
カフェに入ると窓際の席に案内された
向かいの通りには有名な大きな看板が有り、つい最近までAさんと五条さんのポスターだった
2人で手を繋ぎ笑いあう写真
その事を思い出し、少し焦ってAさんを見ると向かいの通りを見て驚いていた
今は何だったか、と思いながら見てみると
五条さんが切なげな表情をしながら誰もいない所に手を伸ばしていて
大きな文字で【もう一度、手を繋ぎたい】と書かれていた
Aさんを見ると涙を我慢しているようで
この人は本当にあの人が好きなんだな、と改めて思った
その事を思い出して泣いているのだろう、と思い彼女が眠りにつくまでその小さな泣き声を聞き続けた
(貴女の心はあの人を想う)
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作者名:アリス | 作成日時:2021年3月1日 18時