58 ページ8
.
『あの…』
S「ん？どうした？」
『T商事との過去の仕事の資料を大野部長から見せて頂いたんですけど…』
S「へぇ、珍しく気の利くことしたんだ。あの人。で？それがどうしたの？』
『ほとんどの企画の中心になってたのって、櫻井さんですよね？』
S「あーー。なんかね、うん」
なんとなく、櫻井さんは答えづらそうな態度で口籠る。
やっぱり聞いちゃいけなかった？
だって、おかしいもんね…
他の会社、それも一流企業の企画を…他社のそれもデザイン会社の営業が仕切るなんて。
S「元々、俺と智くん、T商事に勤めてたんだよね」
『えっ？！だって、コンペで仕事取ったって…』
S「そうそう。そこは聞いてんだ？」
『はい、松本さん達から』
S「T商事はデザイン部から智くんが抜けて、かなりの痛手を負ってわけよ。で、デザインを外注でやってみようって話がでて。そこで、うちの社長が面白がってコンペ出てみろって」
それって、ありなの？？
S「ありえねーよな(笑)自分が智くん引き抜いたくせにさー。T商事のデザイン部はプライドズタズタよ」
『ですよね…じゃ、櫻井さんも社長に引き抜かれて？』
S「いや、俺の場合は勝手について行っただけ」
『勝手に？』
S「そう勝手に(笑)」
そう言って、フッと笑った櫻井さんはすごく優しい顔になって。
S「俺さ、あの人のデザインがすげー好きなんだよね」
『はい』
それはもう…
側から見ていても、十二分に伝わってきてます。
S「それがさ、あの会社にいたらぜんぜん生かされねーの。元々いたデザイナーってのがさ、すげープライドの高いやつで。智くんにでっかい仕事回さねーの。まぁ、あの人はあんな性格だし？小さな仕事でも、直接デザインとかできなくても、別に普通に仕事をこなしてたワケ」
なんか想像つく…
あんな大きな会社にいても、マイペースに仕事してたんだろうな、部長は。
S「営業も企画も使えねー奴ばっかで。でも、俺は智くんの担当にはしてもらえなくてさー。すげー悔しかったんだよね。俺だったら、あの人のデザインを生かせる仕事、取って来れんのにって。そんな時に、智くんから知り合いに誘われたから独立することにしたって聞いて…俺もついて行ったってわけ」
だから、大野さんの担当は櫻井さんなんだ。
事務的なこととかもぜんぶ櫻井さんに任せてるって言ってたし。
松本さんも「大野さんとだけは仕事させてもらえねー」って言ってた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1819人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
グクとともに(プロフ) - 今更ながらなんですが感想を、主人公のうじうじがすんごいムカムカしながら見てます笑あとニノと飲みに行こって言うやつもなんでメッセージが来てないから大野さんと帰るって選択肢になったのかも分からずで自分からメール入れろよ！と、思いながら楽しく読んでます (9月5日 12時) (
レス) @page22 id: 53881abcf1 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます(´∀｀*)誰と結ばれるのか…是非とも楽しみに続きを待っていて下さい！もう決められなさ過ぎて、アンケート取りたいくらいです(^^;) (2017年12月12日 17時) (レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - keiさん» いつもありがとうございます！誰にしよーって、書いては消しての繰り返しです(^^;)それだけみんなが素敵過ぎて…(//∇//)続き、早めにアップしますので！！待っていてください(≧∀≦) (2017年12月12日 17時) (レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - 大野さんと結ばれてほしい……とはいかないかなぁー……あぁー大野さんの悲しむ顔ダメだ想像しただけて胸が苦しい……誰と結ばれるのか気になる！続きみたい……でも、見れない……見たい……ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ (2017年12月12日 1時) (レス) id: 49b8cae516 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - ますます楽しみになりました！ホントに誰？智くんにまさかの告白済とは(^_^;)ホントに楽しいですね〜(//∇//)うらやましい限り。続き待ってます！ (2017年12月10日 14時) (レス) id: 6133f4f2c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Haruno*
| 作成日時：2017年9月13日 5時
