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僕たちにできること｡ Shori ページ6

昼過ぎ､なんとなく触りたい感じで部屋でギターに触れていると下で物音が聞こえた｡

ギターを置いて立ち上がり､階段を使って一階に向かうとリビングには人が居なかった｡

不思議に思って振り向き､玄関の方へ歩いていくと座り込む後ろ姿を見つけて慌てて近づいた｡

『健人くん!』

そう呼んで目の前にしゃがむと俯いていた健人くんの顔がゆっくり上がった｡

『...ただいま､勝利｡』

『大丈夫??どこか痛い??』

そう聞くと健人くんは首を横に振った｡

『大丈夫｡どこも痛くない｡』

『本当に??』

『勝利が心配するようなことはないから｡安心して｡』

『...疲れちゃったんだね｡底冷えしちゃうから､行こう｡』

そう言って俺は健人くんの靴を脱がせ､それから脇を支えてリビングまで向かった｡

ソファーに健人くんを座らせ､キッチンに向かってコップに水を注いだ｡

それを持ってリビングに戻り､コップを健人くんに手渡して隣に座った｡

水を飲む健人くんを見守っていると､視線がこちらに向いた｡

『勝利｡』

『ん??』

『...疲れた｡』

滅多にそんなことを口にしない健人くんにそう言われて一瞬反応できなかった｡

しかしすぐに手が伸びて健人くんの頭をこちらに引き寄せて､ソファーに横になってもらった｡