こんこん。 ページ28
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それからというもの、「有岡くん」
という人物を観察してみようと、
滅多に通らないC組の前を通ったり、
図書室や校庭などなかなか行かない場所を
歩きまくり、探しまくったが肝心の有岡くんにはいつになっても会えないまま。
知念が言うには初日から人気者の彼。
C組でそんなに人気があるならば、もう少し噂が広まってもいいはずなのだが、俺にはどうしてか彼の話が耳に入ってこない。
本当にそんな人がいるのか、と疑ってしまうほど彼に会うことも噂を耳にすることもなかった。
一方、先生とは全くといっていいほど話をする機会がない。
俺の発言を気にしていているのか、目が合っても逸らされてしまったり、昼食も次第に食べなくなっていた。
それは俺にも責任があるのだけれど。
俺も俺で気まずさが勝ってしまって、夏休み明け、俺は知念たちと食べることを選択してしまったのだ。
初日をそう終わらせてしまったが為にますます行きにくくなって、夏休み前までは先生と過ごしていた昼休憩でさえ無いものとなってしまった。
そんな情けない理由で、せっかくのチャンスをないがしろにしてしまうのか。
知念にこのことを言ったとしたら、そう言うだろう。
でも、俺にはもっと情けない理由がある。
ただ、純粋に怖いのだ。
先生がいつものベンチに座っていなかったら、
山田くんと呼ぶ姿がなかったら、
美味しそうだね、と微笑む姿がなかったら。
実際にその事実を突きつけられてしまったら、
俺はきっと壊れてしまう気がした。
あの時、想いを伝えるなんてことしなければ。
と、また情けない後悔に包まれてどうしようもなくなった時。
その時、俺はどうするのだろう。
こんな感情に慣れていたら、上手く対処できるのだろうか。
もしかしたらもう、誰かのものになっているかもし
れないあの人を、振り向かすことができる。
そんな魔法のようなことが起きれば。
そんな情けない願いが叶うならば。
どんなにいいだろう。
チャイムの音で我に返る。
もう、何度目だろうか。
窓に映る木。
7月にはあんなに青々と生き生きしていた葉が、いつのまにか黄色に染まっていたことに気づいた。
9月28日。
黒板の白い文字がふと視界の端に写る。
一ヶ月ってこんなに短かったっけ。
もう10月になってしまう。
あの日から、もう二ヶ月が経とうとしている。
ああ、何故秋はこんなにも泣きたくなるのだろう。
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konokuro(プロフ) - あひる☆さん» 1を最後まで読んで頂きありがとうございました^ - ^ 2も楽しみにしてくださいな！ (2020年3月15日 21時) (
レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - konokuroさん» 移行に行こう〜〜〜♪わーわー。。どきどきっ。。 (2020年3月15日 14時) (レス) id: 15b8e56e15 (このIDを非表示/違反報告)
konokuro(プロフ) - あひる☆さん» あひるん！！！コメントありがとうございます^ - ^ そんなこと言っていただけるなんて....！！ こちらも早め早めの投稿を心がけます！^ - ^ (2020年2月29日 1時) (レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
konokuro(プロフ) - うさこさん» こんばんは。今回もお待たせいたしました...m(_ _)m そう思っていただけて嬉しいです^ - ^ そうなんです！複雑な感情と天気雨をかけてみました笑 晴れなの？雨なの？どっちなんだい！笑 (2020年2月29日 1時) (レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - 複雑な心情を読ませていただきました〜〜♪はぁぁー・・よい！よいなぁ〜〜。ちねさんのきもちっ！！またまた楽しみにまっとりますぅ〜〜♪ (2020年2月28日 18時) (レス) id: f52dbdb7e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：konokuro | 作成日時：2019年6月22日 23時
