Peek a Boo！【坂田銀八】

vol.１６ ページ17

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(───あ、これ･･･)





私の手の中には、現国のプリントが一枚。提出期限は昨日だ。ちなみに一問も解いちゃいない。





「･･･どうしよう」





どうもこうも、やるしかないのだけれど。

人もまばらな教室で、再び自分の席に座る。





「･･･あれ、まだそれやってなかったのかィ」


「うん、忘れてた」


「俺ですら出したってのにかィ？」


「うっわ、腹立つ」





この男の、わざわざ人の神経を逆撫でする態度。
これでこそ沖田なんだけど、うん。





「まァ俺は帰るけどな」


「居座られても嫌だ」





なんて会話をしているといつの間にか今日室には二人だけで。

かといって甘いムードになるわけもなく。どちらかといえば殺伐としているし。





「早く帰んなよ」


「言われなくても分かってらァ」





せいぜい頑張りやがれ、と私を応援して帰っていった沖田にゾッとしながら、プリントにとりかかる。






───

─







「───終わったァ〜･･･」





ん〜ッ、と伸びをしながら時計を確認すると、午後６時前。この時期だからまだ外は明るいけれど、早く帰るに越したことはない。･･･この前みたいなのは御免だし。


あとはこれを提出するだけ、なんだけど。





(───銀八先生に、直接･･･)





この前の一件以来まともに会話もしていない。
というか、私が避けている。

でもこのプリントは出さないと成績に関わるし。





(･･･さっさと出して、さっさと帰ろう！)





バクバクとうるさい心臓を落ち着かせるために一度、大きく深呼吸をして国語準備室に向かった。






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