とある大型犬とそのマスター (ページ29)

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ふと目を覚ますと

そこは知らない部屋だった

(マンガみたいな展開だ)

ちゃんと知らない部屋なのでパニック状態になってしまう

最近落ち着きが無いな…

携帯でここはどこなのか確認しようにも携帯が見当たらない

何、私誘拐でもされた？

初めての経験で突拍子もないことばかり考えはじめたそのとき

「あっヌナ！起きた？」

まさかのキムミンギュが様子を覗きに来た

「あっはい、起きました」

人間って意外とパニックになっても会話はできるらしい(？)

「よかった〜、ヌナ突然気絶したから…」

ん？

私やらかしてない？

今の言葉から考えてみると、私推しの目の前で気絶したってこと…ですね

最後にある記憶は確か砂場ですっ転んだことだが

まさかその後気絶しただなんて

自分の行動が衝撃的過ぎてまた意識が飛びそうになる

「ヌナ〜大丈夫？」

そんな私を察したのか心配してくれるキムミンギュ

ただそんな姿も飼い主を心配する大型犬に見えてしまうのはなぜだろう

末期か？うん、末期だな、何とは言わんが

「すみません、色々ご迷惑おかけしたと思うのですが、一旦状況説明だけ頂いてもよろしいでしょうか…」

今隣にエナがいたら

「A声ちっさ！！ㅋㅋㅋㅋ」

と笑われそうなくらいの小さな声で状況説明を求めた

本来の想定ではそのままさらっと状況説明だけしてもらい帰るつもりだったのだが

人生そう甘くはないらしい

というのも状況説明を引き換えに

「別に全然説明しますけど、代わりに何で最近イベントに来てくれないのか教えてください」

と交換条件を出されたからだ

貴方が売れすぎて寂しくなりました、だなんて言えない、言えるはずがない

ファンならば、Caratならば、推しが売れて、人気が出ることに喜びを感じるはずだから

というか、所詮沢山いるファンの中の、少し珍しいマスターというものをやっているけれど、

イベントにいないことに気づくものなのか…

まだ、しっかり認知されていることに喜びを感じてしまいにやけてしまいそうな頬を制して、

さて、どうするA？！

現在、２０何年の人生の中でトップ3に入るぐらいピンチを迎えております

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