SixDays (ページ13)

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彼の好みに合わせたメイクも、髪型も服装も。
"全部鼻につく。"なんて言われてしまって。

『ここで待ってるから今すぐ着替えて来て。』

彼にそう言われてしまえばそこまでだと思い、
トイレに行ってメイクもウィッグも全部取った。

そして彼の待つ休憩室に向かえば、
彼は俺を見た瞬間強く抱き締めた。

『俺はいつもの髙地が好き。
これからはちゃんと言葉にするから。
もうあんな事しないで･･･』

それは彼のものとは思えないほど力無い声。
俺はそんな彼を抱き締め返した。

「でも良かった･･･北斗がちゃんと俺を選んでくれて。」

『当たり前じゃん。俺が好きなのはユウじゃなくて、優吾だもん。』

真っ直ぐ見つめられながら言われると
尚更照れるっていうか。

ちゃんと言葉にしてくれて安心した。
俺の不安は一気に飛んでいった。

『またユウちゃんに会えないかな？』

『LINE交換したかったな。』

慎太郎ごめん。
髙村ユウは架空の名前で、それ俺なんだ。

本当の事知ったら、慎太郎はどんな反応するかな？

『そう言えばあの時髙地だけいなかったけど、どこ行ってたの？』

あ、やばい。

「トイレ行ってた。」

『そっか。せっかくユウちゃん来てたのに勿体なかったね。』

だからそれ俺なんだって！とは当たり前に言えず。

そしてまた彼が嫉妬の目を向けてるとは知らずに。

『何だよ北斗、そんな怖い顔しちゃって。』

『慎太郎はああいう子がタイプなの？』

『うん！俺ああいう子好き。』

慎太郎の一言でまた彼は不機嫌になった。
この調子ならきっと今夜は･･･