48BET ページ6
『んぅ……』
頭が重い。私は目を覚ます。……どうしたんだっけ。棗のお見舞いに行こうとして、時間あるから坂田くんとハンバーガー食べに行こうとして……、そうだ。
『誘拐紛いな事されたんだ……』
私は身を起こした。すると隣には、いつもより青白い顔をした坂田くんが横たわっていた。私は慌てて彼の体を揺さぶる。坂田くんは目を覚ますと、痛そうに鳩尾を押さえながら起き上がった。
「いてててて、ハンバーガー……」
『そ、そんなに食べたかったの……？』
起きても食べ物の事を考えているのは彼らしいと思った。
「やっほー、A、さかたん♪」
すると、後ろから聞き慣れた声がして、私と坂田くんは咄嗟に振り返る。そこには、ドラム缶の上にちょこんと座る、棗の姿が。棗はにんまりと笑うと、ドラム缶から飛び降りてゆっくりとこちらに歩いてきた。
『棗！良かった、風邪じゃなかったんだね』
「んふふ、そーそー。少し
どんどん近づいてくる棗と私の間に、坂田くんは私を庇うように腕を伸ばしながら、割って入ってきた。
「……どうしたん？さかたん」
「どうしたはこっちのセリフやで、96ちゃん。俺らをこんな所に連れてきて、何するつもりなん」
棗は光の宿っていない目でこちらを見下してきた。私はなんだか鳥肌が立つ。こんな冷たい表情の棗、見たことない。
棗は坂田くんに、ぐいっと顔を近づけると、ニコリと微笑んだ。
「Aとギャンブルするんよ、ここで」
『わ、私と……？』
「もしかして、俺ら連れ去るんように指示したのも……」
「そ、わしやで」
『え……』
棗が、私達を襲うように指示したの？
どういう事？状況が理解できない。
「生徒会に顔出さへんと思ったら……。何がしたいん、俺には分からへん」
生徒会？どういう事なのだろう、私だけ会話についていけてない。坂田くんは警戒するように棗を睨み、歯を食いしばった。
すると棗は私に目を向けると、手を伸ばし頬を包んだ。
「何が何やらって顔してるから、教えたる。……改めまして、生徒会書記、響希棗です。よろしくな、A」
胸の前に手を当て、ひらりとお辞儀をする棗は、いつもの無邪気な姿の面影はなく、熟練の洗練されたギャンブラーの動きをしていた。
「生徒会書記はな、そらるさん、うらさん、まーしぃに続く、この学園No.4の実力者が持てる称号やで」
坂田くんがそう耳打ちで教えてくれた。
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あまのじゃく(プロフ) - 田舎女子さん» ここまで読んでいただきありがとうございました！ (2021年6月11日 21時) (
レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
田舎女子 - 完結おめでとうございます！！！番外編も楽しみです！！ (2021年6月10日 17時) (レス) id: 67e9a9c4e5 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく(プロフ) - ありがとうございます！あと少しお付き合いください(*´ω｀*) (2021年6月10日 11時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく(プロフ) - 猫の隠れ場所さん» ありがとうございました！番外編もお楽しみに(*´ω｀*) (2021年6月10日 11時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
希愛_(._.)_(プロフ) - 初コメです！完結おめでとうございます！番外編も楽しみに更新待ってます！ここまでお疲れさまでした！ (2021年6月9日 20時) (レス) id: 6da2a1838c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまのじゃく | 作成日時：2019年8月4日 18時
