138話 坂田side ページ7
坂田side
中庭を抜け、俺らはまた廊下を走っていた。道が入り組んでいて、階段を登りおりしたり、似たような廊下を通ったり、本当にこの道があっているのか分からない。
「なぁまーしぃ。俺らどこ向かってるん?」
隣を走るまーしぃにそう聞いた。まーしぃは目線をこちらには向けずに口だけ動かす。
「作戦会議してた時、この屋敷の見取り図を見たやろ?そんとき、一番奥の部屋だけ不自然に広かった。恐らくAちゃんと姫さんはそこにいる」
「え、あっ、へー!そ、そうなんやー!」
「お前さては資料読んでなかったな?」
うらさんの言葉がぐさりと刺さる。ジト目でこちらを見てくるうらさんに、俺は目を合わせられなかった。ていうか、合わせたら殺されそ……()
「よ、読んだに決まってるやろ!ジョークやジョーク!」
「ふっ、どうだかな」
ダメだこの人、誤魔化せんわ。
「ほら二人共!そろそろ着きますよ!」
まふの言葉で、俺は前を向いた。確かに少し先には開けた場所があり、その先には大きなドアも見れる。あの先に、Aちゃんが……!
「っ、坂田ッ!」
「へっ」
夢中で走ってたら、横を走っていたまーしぃに突き飛ばされた。俺とまーしぃは、勢いでそのまま床を二人で転がってしまった。
「何事や……」と体を起こすと、先程俺がいた場所に、数本の短剣が刺さっているのを見て、思わず冷や汗が垂れ顔が引きつる。
「えー、キルも虎之助も突破されちゃったのー?絶対僕の所まで来ないと思ったのに!」
はっとして声が聞こえる方を見ると、Aちゃんと姫さんがいるであろう部屋の大きなドアの前に、いつかの猫の仮面の少年が立っていた。
「久しぶり、でいいのかな?騎士団のみなさん♪」
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四つ葉 - 完結お疲れ様です!後からすみません。楽しく読ませて頂きました!他の作品も頑張って下さい!ヾ(≧∪≦*)ノ〃 (2020年4月20日 3時) (レス) id: e93bba0f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - いえいえ!こちらこそなんかすみません! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - すみませんww参考になりましたww (2019年8月9日 21時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 忘れてたの!?確かに結婚した後みたいな雰囲気ありましたけどw (2019年8月8日 14時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 名無し1450号さん» リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (2019年8月7日 18時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2019年6月15日 14時