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『わ、花火……!』
「そ。これをAに見せたくて」
海の上で咲く火の花達は、緑、紫、赤、黄と様々な表情を見せてくれて、その姿を水面に写しては儚く散っていく。
『花火なんて久々に見ました!綺麗……』
少し遠いが、充分な見栄えだ。私は花火に見惚れていた。
(すげー可愛い笑顔。連れてきて良かった。……あれ、今すごい良い雰囲気じゃね?手とか重ねればいいのでは!?い、いやいやいややっぱ無理!)
そんなうらたさんの葛藤も知らずに、私は咲いては散っていく花火を見ていた。それにしても、海の向こうに人が住んでいるなんて知らなかった。地図では私達がいるノルディ王国は、海に囲まれた大陸だった気がする。
『うらたさん』
「ど、どどどどうした!!」
『何でそんなに焦ってるんですか……?あの、向こうって誰か住んでいるんですか?』
私は向こう側を指差す。するとうらたさんは、落ち着きを取り戻した顔つきで、話をしてくれた。
「あぁ、向こうにはストロベリー王国って言う国があってな。ノルディ王国とは、この海が国境線となってるんだ」
『ストロベリー王国……』
「そう。なんでもストロベリープリンスって言う六人の王子達によって納められているらしい。ま、俺は行ったことないけど」
『王子様が六人も!?すごーい!』
王子が六人もいると言う事実に驚き、うらたさんの方を見ると、ばちりと視線が交わった。思ったよりも距離が近くて、けれど目が反らせなくて、恥ずかしくて何も喋らなくなってしまった。
うらたさんはそれを見兼ねて、私の砂浜に付いている手に指を絡めてきて、もう片方の手で頭を撫でてきた。
「今日は来てくれてありがとう。これからもよろしくな、A」
後日、まーしぃ達にからかわれまくったのは、また別のお話……。
af.4【実は初デート?】Fin
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四つ葉 - 完結お疲れ様です!後からすみません。楽しく読ませて頂きました!他の作品も頑張って下さい!ヾ(≧∪≦*)ノ〃 (2020年4月20日 3時) (レス) id: e93bba0f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - いえいえ!こちらこそなんかすみません! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - すみませんww参考になりましたww (2019年8月9日 21時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 忘れてたの!?確かに結婚した後みたいな雰囲気ありましたけどw (2019年8月8日 14時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 名無し1450号さん» リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (2019年8月7日 18時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2019年6月15日 14時