af.2【プロポーズ】 ページ32
うらたside
愛、というものを言葉にするのは心底恥ずかしい行為だと俺は思う。けれど、言葉にしないと伝わらないのだ。なんとも不便なものだ。
俺はリビングのイスに座りながら、キッチンで料理をしている彼女を見た。彼女の名前はA、俺の大切な恋人だ。
付き合ってもう一年以上経つ。同棲を始めてから半年?くらいだ。そろそろあれのタイミングなのではないか、と思う。
そう、プロポーズだ。
……プロポーズかぁ(泣)
サプライズみたいなのも考えてみたが、俺一人じゃどうにもならない気がして足を踏み出せずにいる。
一番仲のよい坂田に相談しようかと思ったが、「あ、言ってもうた!」とか言ってバラされるのが関の山。まーしぃとセンラにはからかわれそう。
『おーい、うらたさーん?』
ぼーっとしている俺の前で手を振るA。
「ん?」
『ご飯、出来ましたよ』
「えっ」
テーブルの上を見ると、Aが作ってくれた朝食が既に並んでいた。Aは着ていたエプロンを脱ぎ、適当にイスにかけると、俺の向かい側に座った。
『大丈夫ですか?ぼーっとしてたみたいですけど……』
考え事?と首を傾げて聞いてくる彼女に、俺は何でもないよと誤魔化す事しか出来なかった。二人で手を合わせ、いただきますと朝食を食べ始める。
結婚して、この美味しい料理が毎日食えるなら、俺はどんだけ幸せなんだろーなー。
そんな事を考えながら、主食であるパンにがっついて、プロポーズへの不安をかき消したのだ。
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四つ葉 - 完結お疲れ様です!後からすみません。楽しく読ませて頂きました!他の作品も頑張って下さい!ヾ(≧∪≦*)ノ〃 (2020年4月20日 3時) (レス) id: e93bba0f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - いえいえ!こちらこそなんかすみません! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - すみませんww参考になりましたww (2019年8月9日 21時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 忘れてたの!?確かに結婚した後みたいな雰囲気ありましたけどw (2019年8月8日 14時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 名無し1450号さん» リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (2019年8月7日 18時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2019年6月15日 14時