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50話 ??side ページ8

??side

あー、失敗した失敗した。
本当に、騎士団っていうのは面倒くさい。

僕はアジトに帰ってきた。
扉の前に立ち、合言葉を言う。

「全ては、マルム様のために」

合言葉を言うと、アジトの重たい扉が鈍い音をたてながら開いた。
中はとてもかび臭いが、僕はそんなアジトが我が家のようで好きだった。



「ただいま」

部屋の奥に行くと、二つの影があった。

「あら、おかえりなさい。その様子じゃ失敗したようね」

一つの影が言う。
女の子らしい声をしている少女は、狐の仮面を被っていた。

「気にする必要はござらん。またやればよい」

もう一つの影が言う。
渋い声をした男は、虎の仮面を被っていた。


「私達、三人で一つみたいなもんだしねー。まぁ、私ならあんたみたいにはならないけど!」



「あぁ?」


僕が苛ついたように声を出しても、少女は悪びれる様子もなく、イスに座りながら足をブラブラしていた。

「そういえば、あの方……マルム様がお前に、とメモを残して行ったでござるよ」


「あっそ」


マルム様は僕らに指示を出している、いわゆる主人という存在だ。


俺はアジトのテーブルの上に置いてあったメモを見る。そこには、

『案ずるな、指示を待て』

そう書かれていた。


「マルム様も人が悪い。わざわざ影武者の方を襲わせるなんて……。僕は捨て駒なの?」


メモ用紙を破り捨てた。
きっとあの方にとって、僕は欲望を満たすための道具。


「早く自分でさらってくればいいのに。マルム様……いや、









執事さん♪」




【忍び寄る影】fin

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ラッキー歌い手×曲

まふまふ×廃墟の国のアリス


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闇月 神楽(プロフ) - 神谷朱里さん» ありがとうございます! (2019年9月14日 19時) (レス) id: f014fb0182 (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - シリーズ最初はパスワードにさせていただきましたが、4は閲覧できると思いますよ。ご迷惑おかけしてすみません (2019年9月14日 19時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
闇月 神楽(プロフ) - シリーズの最初と4をパスワードにしたんですか? (2019年9月14日 18時) (レス) id: f014fb0182 (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - sinさん» ありがとうございます!こう言う事に自分の考えを持っているのが大切だと思っているので。お褒めいただき嬉しいです(^_^) (2019年5月13日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
sin(プロフ) - こういう風に物事の良し悪しみたいなのをしっかりと言えるのがすごいと思いました。小説楽しんで読ませてもらってます。これからも頑張って下さい。 (2019年5月13日 1時) (レス) id: 1b526b8ebe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱里 | 作成日時:2019年3月21日 9時

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