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81話 ページ43

「その言葉、待ってたよ坂田」


低木の影から出てきたそらるさんは、こちらに歩いてきた。


「な、なななそらるさん!?い、いつから!?」

「んー?坂田が一人でメソメソ泣いてるくらいから?」

「それ一番始めからじゃないですか!!なんで慰めてくれへんの!!」


あ、やっぱ泣いてたんだ()
恥ずかしいのか、少し顔が赤くなったさかたんは、ビシッとそらるさんに指を指し色々文句を言っていた。


「それより、うらたくん助けたいんでしょ?」


さかたんと私の動きが止まる。


「え、そりゃ助けたいけど……」

『そらるさん、助ける算段でもあるんですか?』

「ある、ちょっと無理やりな感じはあるけど。今日うらたくんがいるであろう部屋の位置の特定と、うらたくん家が雇ってるボディガードの配置、その他諸々偵察してきた」


そう言ってそらるさんは、紙の束を出してさかたんに渡した。

その紙には、先程そらるさんが言っていた情報が細かく書かれていた。しかも、手書きで。


「これ……。もしかして全部そらるさんが」

「そーだよ。俺もうらたくん家の方針には納得できない部分があるからね。ちなみに、救出するなら、最低五名は必要。二人はうらたくんの親を説得する役、三人はうらたくんを直接救出する役」


そらるさんは二本と三本に分けて指を立てるジェスチャーをした。


『それって、私が行くのも可能ですか?』

「うん、いいけど……。なんで?」

『いえ、うらたさんの親とも無縁な私が首を突っ込んで良いものかと……。けど、助けたいです。うまく言えないけど、うらたさんや皆さんの暗い顔は、もう見たくありませんから!』


私がまっすぐそらるさんを見つめる。
私の意思を感じ取ったのか、そらるさんは嬉しそうに少し微笑むと、私の頭を撫でた。


「ありがとう、A。決行は明日の夜。それまでに人を集めよう」

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ラッキー歌い手×曲

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闇月 神楽(プロフ) - 神谷朱里さん» ありがとうございます! (2019年9月14日 19時) (レス) id: f014fb0182 (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - シリーズ最初はパスワードにさせていただきましたが、4は閲覧できると思いますよ。ご迷惑おかけしてすみません (2019年9月14日 19時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
闇月 神楽(プロフ) - シリーズの最初と4をパスワードにしたんですか? (2019年9月14日 18時) (レス) id: f014fb0182 (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - sinさん» ありがとうございます!こう言う事に自分の考えを持っているのが大切だと思っているので。お褒めいただき嬉しいです(^_^) (2019年5月13日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
sin(プロフ) - こういう風に物事の良し悪しみたいなのをしっかりと言えるのがすごいと思いました。小説楽しんで読ませてもらってます。これからも頑張って下さい。 (2019年5月13日 1時) (レス) id: 1b526b8ebe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱里 | 作成日時:2019年3月21日 9時

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