8話 ページ10
「センラ……」
「僕もそこまで侮辱されて黙ってる程いい人じゃないんですよ」
センラ、と呼ばれた金髪の男の人が暴言を吐いていた男の前に立つ。男は少し怯んだように一歩後ずさった。
「な、なんだよ!ラッキーだったなお前は!」
「君、武器は何使うん?」
「は、は?槍だけど」
「じゃあ丁度ええわ。これ」
そう言って、センラさんが男に渡したのは、模擬戦で使用した木製の槍だった。
「僕も槍使いなんですよ。厳しい試験で落ちた君と、甘い試験で受かった僕。どちらが本当に強いか、見せますよ」
センラさんも木製の槍を持っている。どうやら今ここで模擬戦を行うらしい。
「いいですよね、うらたん?」
「あ、あぁ。全員その二人から離れろ!」
「うわぁ、センラ珍しく激おこやん!」
『知り合い、ですか?』
「まぁちょっとな」
センラさんと男を中心に、オーディエンスは円の形に広がった。マジでやるつもりなのか、この人。センラさんは不敵な笑みを浮かべている。
あの暴言吐いてた男の人が言うとおりなら、甘い試験で受かったセンラさんは負けるはず。けど、なんだろう。
槍を構えたセンラさんはどこからもそんな隙が感じられない。
「いつでもいいですよ?」
「あぁそうかよ!じゃあこっちから行くぜ!」
と言って男は斬りかかろうとする、が。男は少し駆け出して、足を止めた。そのはずだ。撃ち込もうにも、センラさんにはそんな隙どこにもないのだから。
「あれ、もしかして……怖気づいてしもうたんですか?」
あざ笑うようにセンラさんは言う。男はヤケクソになって、そのままセンラさんに攻撃を仕掛けた。
センラさんはそれをひらりとかわすと、持っていた槍で男の足をはらうように地面スレスレで振った。
男は躓き、見事顔から前につんのめり転ぶ。倒れた男の首の横に、センラさんは槍を突き立てた。
「ひぃ……!」
「勝負あり、ですねぇ。君の理論なら、僕が負けるはずやったんけど?」
「ご、ごめんなさいごめんなさいぃいい!!」
男は首の横に槍を突き立てられたのが相当怖かったらしく、そのまま立ち上がって謝りながら城外へと跳び出て行った。
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神谷朱里(プロフ) - いちごさん» "こん"です!長細い棒だと思っていただければ大丈夫ですよ! (2019年6月16日 8時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 天月の武器の漢字どうやって読むんですか? (2019年6月16日 3時) (レス) id: 6c34888bc6 (このIDを非表示/違反報告)
イゾウRAVU - はい!!よろしくお願いします!!(^.^)(-.-)(__) (2019年3月11日 15時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - これからもよろしくお願いしますね! (2019年3月10日 23時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
イゾウRAVU - 初投稿だったんですか!!とてもそのように見えなくて驚きました!!更新が遅いのはしょうがないですよ!色々用事もあると思うので! (2019年3月10日 21時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2019年3月5日 9時