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94話 ページ7

「まさかあなただとは思いませんでしたよ、レオ大将。いや、もう大将じゃないか……」


そらるさんは悲しそうに顔を歪める。
そらるさん、レオさんの事知ってるのね。


「小さい頃は、よく遊んでやったよなぁ」

「父さんと仲が良かったからですよね」

「おいおい冷たいこと言うなよ、剣の稽古もつけてやった仲じゃないか。そうだ!この縄解いてくれよ。俺が騎士団に戻れば、一緒に仕事ができるぜ、な?」


この人はどこまで腐っているのだろうか。
何だか見ていて吐き気がしてくる。
そこまでして地位を手に入れたいの?
私には分からなかった。


「縄は……解きません。俺の大切な仲間を、弟も同然な奴を傷つけたあなたは一生許しませんから」


そらるさんはレオさんにそう冷たく言い放つと、うらたさんの方へと歩き出す。


「そらるさん……」

「うらたくん、門の前でご両親が待ってるよ。行こう」


そらるさんはかがみ込み、うらたさんの腕を自分の首の後ろに回し、うらたさんを支える形で立たせた。


二人は歩き出すと、部屋を出ていった。




「……そらるさん」

「んー?」

「俺のこと、弟だと思っててくれてたんですか」


廊下を歩きながら、うらたさんはそんな事をそらるさんに聞いた。
そらるさんはうらたさんから目を反らすと、


「別に?」


そう言った。
うらたさんは満足そうに微笑むと、少しそらるさんに体重を任せて、力の入らない足で踏ん張って歩いた。

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ラッキー歌い手

うらたぬき


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神谷朱里(プロフ) - 嶺音さん» ただいまでーす!続きはお楽しみに(*´∀`) (2019年6月1日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 絢乃さん» わーありがとうございます!ただいまです! (2019年6月1日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
嶺音 - おおーーΣ(゜Д゜)いっぱい更新されてる!お帰りなさい。お疲れ様で〜す。続きが凄い気になる!頑張って下さい!! (2019年5月31日 23時) (レス) id: feeb429954 (このIDを非表示/違反報告)
絢乃(プロフ) - お帰りなさいです!テストお疲れ様です! (2019年5月31日 23時) (レス) id: 2caae02809 (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 嶺音さん» ありがとうございます!頑張りますよぉぉお!!!(*゚∀゚) (2019年5月14日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱里 | 作成日時:2019年4月21日 20時

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