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「ほら、白羽ちゃんはAちゃんの初めての後輩でしょ?
自分も色々と教えてあげたいなー、とか思わない?
仲良くなるチャンスだよ」
ニコニコニコニコニコニコ
いくつ擬音をつけるんだ?ってくらいにこれ以上ない胡散臭い笑顔。
嫌味か?
百合さんばっかに頼ってねえでお前もなんか教えろよってか??
「Aちゃん、いっつも人目につかない重労働とか面倒な仕事ばっかやりたがって大変じゃない?
せっかくマネが増えたんだから白羽ちゃんにも手伝ってもらえば⋯」
「私は表に出たくないから好きでそういう仕事してるだけですし。
私なんかが近づいたってどうせ白羽さんも迷惑に思うでしょ」
「───⋯⋯⋯そんなこと、」
私の分の仕事も白羽さんに覚えてもらえれば私は用済みになるってことですか。
だが私は絶対にバレー部をやめない!!
私にだってやめられない理由はある!!!
ひっそり対抗心の炎を燃やしていると、
「及川さんっ、喉乾いてませんか?」
高く可愛らしい声が、何か言いかけていた及川さんの言葉を遮った。
ついでに、私の視界も黄味がかった茶髪に遮られる。
そこには輝くような笑顔の白羽さんが、及川さんのボトルを持っていた。
なぜわざわざ私と及川さんの間に入ってくるんだ?
「っ⋯あ、ああ、うん。ありがとう、白羽ちゃん」
「いえ!
及川さんの姿だけ見かけなかったので、ドリンク受け取りそびれてるんじゃないかって⋯」
頬を赤らめてうつむく白羽さんは実に可愛らしかった。
及川さんも満更でもないのか、あははは、と薄く笑っている。
さて、私は今のうちに逃げるか。
ビブスを入れたカゴごと持ってその場を離れようとしたそのとき
薄暗い目をした白羽さんが、微笑みをたたえて私を見ていることに気づいた。
「?」
私はカゴをしまうために、和気あいあいと話す白羽さんと及川さんを残して体育倉庫へ向かった。
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ne*(プロフ) - 大丈夫ですか?無理しないで下さいね。 (2022年9月2日 9時) (レス) id: d0690099e0 (このIDを非表示/違反報告)
すみんみん - 続きがめちゃめちゃ気になります!頑張ってください! (2022年8月12日 17時) (レス) @page27 id: ebcea48cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん - 大丈夫ですか?体調崩されたのでしょうか。お大事になさってください (2022年8月10日 9時) (レス) id: 83697b1c32 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 僕も続きが気になりますでもこんなにたくさん小説を書いていると疲れるので休みながらでもいいので頑張ってください (2022年8月9日 19時) (レス) @page27 id: 25670c47bc (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 続きが気になりまくりです!更新頑張ってください! (2022年8月9日 12時) (レス) @page27 id: 3764804c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湧緋 | 作成日時:2022年7月24日 0時