For you (ページ10)

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拓「じゃあ〇〇楽しんでおいで」

『うん！』

拓「大丈夫か？」

立ち上がって私を見てそう言った拓弥に

「ヘーき、何回目？笑」

と返した

実際は不安で緊張が止まらない

電車を乗り継いで水族館に向かう

『ほんとーにおとーさんにあえるの？』

「本当だよ、ごめんね急に」

『なんであやまるの？わたしね！ずっごくうれしいよ！』

「なら良かった、会ったらしっかり目見て〝こんにちは〟って言うんだよ」

『だいじょーぶだよ！いつもほいくえんのせんせぇにいってるもん！いつもは〝おはようございます〟だけど』

「そうだね、〇〇は良い子だね！」

照れたように笑う娘を見て私は微笑んだ

駅に着き稜雅の姿を探す

「あっ、いた」

黒く長いコートを着こなす彼の姿に胸がドキドキする

キョロキョロと私達を探す姿を見て

「稜雅」

と控えめに呼んで手をスッと挙げた

すると小走りで駆け寄って来た

娘を見るとしゃがんで目線を合わせる

『こんにちは』

稜「こんにちは、今日はよろしね」

2人で目を合わせて微笑みあっていた

立ち上がった彼に顔を近づけて

「お父さんだよって言っといたから」

稜「うん、ありがとう。行こっか」

『て！つなご！』

〇〇は私と繋いでる逆の手で稜雅の手を取った

3人で微笑みあって

幸せを噛み締めた