〇 ページ10
(夢主side)
私がパイを作っている間ずっと背中に視線を感じる。
ちら、と後ろをむくと零くんとノアールがこっちを
じっと見ていた。
『なによ〜。あんま見ないで。』
零「嫌じゃ。のぅ、ノアール?」
とノアールの喉元を撫でる。
零「A〜。まだ出来んのか?我輩、そろそろ
Aにかまって欲しいんじゃけども。」
ほんとにずるい人。いっつもは余裕たっぷりで
私を弄ぶくせに2人きりになると甘えて拗ねてくる。
これだから無自覚な魔性の男は嫌い、、、。
『待ってて。今オーブンにパイ入れたから。
焼けるの待ってる間お話しよう』
そう言って零くんの正面に向かいあわせで座ろうと
すると急にグイッと強い力で引き寄せられた。
『うわっ!?』
零「Aはこっちじゃ、我輩の隣に座っておくれ」
と零くんに腰ごと引き寄せられて彼の胸にすっぽりと
収まってしまった。
『れっ!零くん〜///離してよ!』
零「嫌じゃ♪」
と楽しそうにククク♪と笑う。
零「のぅ、A。好きじゃ。愛しておる」
私の耳元で低く甘い声で囁く。
それもいつもより真面目なトーンで、
『えっ///』
零「本当に愛してる。だからいい加減、、、。
俺のものになってくれよ。」
私の頬を両手で包み込んで彼の真っ赤の瞳はじっと
切なげに私を見つめた。
『れ、零くん、、、。』
『私は、、君みたいに綺麗な人には釣り合わないよ、』
零「何を根拠に言ってんだ。いい加減聞き飽きた」
久しぶりに見る零くんの荒々しい表情や口調。
鈍感な私でもわかる、零くんは本気なんだ。
『だ、だって、私は、綺麗とか可愛いタイプじゃないし』
『背だって男の子と変わんないし、』
『可愛げがないし、守ってあげたくなる弱さもない』
『零くんはかっこよくて、なんでも出来て、頭も良くて、
こんな私の事を大事にしてくれてる。』
『でも、なんで零くんが私の事が好きなのかが
分からないの。、、、なんで、なんでなの?』
そう言うとフッと鼻で笑って私の体を更にぎゅうと
強く抱きしめる。
零「ほんっとにAはバカだな。ほんとにバカじゃ」
零「お主は綺麗じゃ、現に我輩、周りの男達にA
を取られんように必死で格好悪いし、」
零「別に我輩、Aの背の高さなんでどうでも良いし、
むしろ目線が近くて何時でも可愛い顔が見れる」
零「最後のに関してはそれを言った男は見る目が
無かっただけじゃ。」
257人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Chloe | 作成日時:2022年9月25日 23時