魔性の男と高嶺の花 ページ12
(羽風side)
朝エントランスを歩いてると
ザワザワとしていた。なんだろ？
そう思ってそちらの方向を見ると零くんとAちゃんが
並んで歩いている姿が見えた。
「あの二人が並んでると絵になるよねー。」
「あの二人ってどんな関係なんだろ、」
「やっぱり朔間零って国宝級にかっこいいよねー」
「安曇さん美人だしスタイル抜群でサイコーだな！」
周りの人達は各々2人の噂をしていた。
でもふたりはそんな人達をお構い無しで何やら
話してるっぽい。
羽風「やっほー！零くん。Aちゃん！」
零「おお、薫くん、おはよう」
『羽風くん。おはようございます』
羽風「なんの話してたの〜？」
零「今年は上手にトマトが成るといいなという
話をしておったんじゃよ。」
羽風「トマト？」
『今さ、私の家のベランダでトマトをプランター
の中で育ててるの。流星隊の高峯君に教わりながら』
羽風「へぇ、本格的なんだね。」
ベランダで成るトマトを楽しみにしてる話って、
あんたらは二人暮しが長い熟年夫婦か！って感じ。
なんだろ、なんか2人はいつもどうりで安心した。
羽風「あれ？Aちゃん、なんだか雰囲気変わった？」
『そう？特に変えたところないけど』
羽風「なんか、いつもより綺麗になった気がする」
『ふふ、やだ、羽風くんは相変わらず褒め上手だねぇ。
そう言う言葉は本命の子に残しておかなきゃ、、
大事な時に真意が伝わりにくくなっちゃう』
のほほんとそう笑うAちゃん。
どっかの誰かさんみたいにね。
そう思い零くんの方へ目配せすると妙に余裕のある
表情で微笑まれた。
零「そうじゃぞ。色んな女の子にホイホイと甘い言葉
を囁いておるのは如何なものかのぅ。」
なんか零くんがすこぶる調子が良くて怪しい。
羽風「え、何？2人ともデキてるの？(小声)」
零「ククク♪聞いてくると思っておったわい」
『めっちゃ小声だったね』
零「だが、薫くん、場所を変えてきちんと話をしよう」
『そうだね。ここじゃ人の目が多いし』
薫「じゃあリズリンについてアドニスくんと晃牙くん
を呼んで話しよう。」
『じゃあついでにUNDEADの新曲の候補のデモテープ
聞いてもらおっかな。』
零「相変わらず仕事が早いのぅ。」
薫「ほんとだよねー、UNDEADだけじゃないのに」
『これが私の生き甲斐で仕事だからねー。』
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作者名：Chloe | 作成日時：2022年9月25日 23時
