4話 ページ5
特に何か話すわけでもなく、ころんくんの後を追い職員室の中へと入る。
先生の机に資料を置くと、失礼しました。と言って職員室を出た。
ころんくんは何も言ってなかったけど
そのまま流れで2人で教室まで戻る。
…あ、お礼言わなきゃ
今しかタイミングがないと思い、続いていた沈黙をやぶる。
「あの、昨日…教科書貸してくれてありがとうございました…」
私がそう言うと、ころんくんはキョトンとした顔をして言った
こ「え、僕貸したっけ?」
「え」
え、もしかして借りてない?
でも、日記には貸してもらったって…
こ「なんの教科?」
「えっ…と…」
なんの教科なのかまでは書いていなかった。
私がなんだっけなーと小さく口に出しわざとらしく悩むふりをする。
するところんくんは思い出したように「あー、国語か!貸したわ!」と手を叩いた。
とりあえずホッと胸を撫で下ろすと私は改めて口に出した。
「昨日は本当にありがとうございました」
そしてころんくんが口を開きかけた時、遠くから「ころーん!」と、呼ぶ声がした。
ころんくんと一緒に声のした方を振り向くと恐らく上級生であろう人が小走りで近づいてきた。
こ「なーくん!」
なーくん、と呼ばれた人はころんくんに近づくと、ころんくんの頭を軽くコツンと小突いた。
な「ころん、お前まーたやらかしたやろ」
こ「え?なになに?」
な「学校の池の傍に彼女欲しいって看板立ててるの見たって人いるんだけど?」
そう言うところんくんは斜め上に視線をずらして言った。
こ「…それ僕じゃなくてるぅとだわ」
な「るぅとくんそんな事しない!」
こ「いや、あいつ最近マジでやばいから!ほんとに!これマジ!」
そう叫ぶと、なーくんと呼ばれた人は聞いてくると言ってその場を去って行った。
その後、ボソッと呟いた「僕だけど」という声を私は聞き逃さなかった。
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うい(プロフ) - 凄く「今夜、世界からこの恋が消えても」と似てて小説の発売日と照らし合わせたら主さんの方が先にネタ思いついてて腰抜かしました…めちゃくちゃ面白いです😸💞 (2023年2月21日 2時) (レス) id: ed6dd285e5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - ころんくんが家に泊めるときになーくんに電話してたときの泊めるの字が止めるになってましたよ 上から目線でごめんなさいm(_ _)m (2022年5月17日 6時) (レス) @page29 id: 2e0541f151 (このIDを非表示/違反報告)
白玉 - そうです! 一度検索しみて下さい。 (2019年5月5日 11時) (レス) id: 0b503add46 (このIDを非表示/違反報告)
あうら(プロフ) - 白玉さん» テレビか本とかですかね…? (2019年5月4日 21時) (レス) id: 5af2deacde (このIDを非表示/違反報告)
白玉 - これ読んだ瞬間「掟上今日子の備忘録」っていうの思いだした (2019年5月4日 20時) (レス) id: 0b503add46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あうら | 作成日時:2018年10月14日 23時