生きる全ての過去 ページ33
助けてくれた彼らは『鬼殺隊』と名乗り、
実質帰る家のない僕を引き取ってくれた。
主である御館様は快く受け入れて下さり、
屋敷の一角に、僕の住む家を与えて下さった。
ーーー
「生和、またお勉強?」
お茶を運んでくると共にそう話しかけるのは、僕がまだ幼いために御館様がつけてくださった付き人の女性。
生「だってこの本、すごくおもしろいんだ」
「少しは目を休めることも大切よ」
生「心配しないで。大丈夫だから」
僕が読んでいたのは、時間についての学書。
『母さんがいた頃に時間を戻したい』と何度も思っていた事が、知らない内に学習意欲に結びついていたのだと思う。
僕は体が弱いから、
動けないぶんたくさん勉強する。
そしていつか、努力を実に結ばせてみせる。
ーーー
数年が経った。
産「おめでとう。
【時柱】ーーー門叶 生和。」
僕の努力は、実を結びつつあった。
時柱。
時間操作の能力を主とする柱。
たくさん勉強して、独学で能力を取得した。
そして僕が、初代となった。
……しかし、現実はそう甘くはなく。
不「おいてめェガキ……ヒョロヒョロしてるし如何にも弱っちそうじゃねェか
こんなガキが柱だなんて、鬼殺隊はどーなっちまうんだァ?」
宇「ガキンチョ、あんたはちょっとばかし弱そうに見えるぜ?
もっと派手にやってけよ、派手に」
煉「うむ!きみはもっと筋肉をつけ、鍛錬を積むべきだ!」
悲「嗚呼…年頃の男児にも関わらず、この細い体躯……可哀相だ、生まれてきた事が可哀相だ……南無阿弥陀仏……」
伊「きみ本当に弱そうだね。大丈夫なの」
「うう………」
全て本当の事だ。何も言い返せない。
僕の戦法は、『時間操作をしている隙に爆薬等投下型の武器を相手に投げつけ、その後再び時間を動かす』といったものだ。
通常腕を使って切りつける日輪刀も僕の場合、
『時間操作しつつ相手に投げつけて攻撃』といった変わった使い方になっている。
いかにもという感じの肉弾戦は、全くもって適正がない。
そのせいで柱の方々には………あまりよく思われていない。
友達もいないから、正直とても心細い。
僕なりの頑張り方では、駄目なのだろうか…。
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作者名:スイ | 作成日時:2020年1月25日 22時