私の番犬達__

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あの時だって、汐恩は何一つ間違ったことは言ってなかった。



皆だって私の事を心配してくれてたのもわかってたのに


なんで私、あんなこと言っちゃったんだろう。




皆に気まずい思いさせて、雰囲気悪くしちゃって。









一「....奨さん達は、Aさんのこと

本当に大事になさってますし、大好きですよ」









一「奨さん達の表柄はたしかに、" Aさんを守るお仕事 " の様に見えてますけど

本当はそんなことないんですよ」






『それってどういう...』






一「奨さん達が貴方と過ごす内に、妹のように可愛がっていたのは私にはわかってましたよ

それはきっと、" 仕事 " としてじゃなくて、無償の愛だと思うんです。」





一「仕事だから守るのではなくて

Aさんの事を大切になさっているから、彼らの意思でそうしているんだと私は感じてますよ」









ルームミラー越しで私をみた一宮さんは 涙が出るほど優しい瞳をしてきた。








そんな一宮さんの言葉が胸にじんときて、思わず涙が溢れそうになる。






『どうしてわかるんですか..』




力無い声で問いかける。





その問いかけに、一宮さんは少し目を細めて 何か昔のことでも思い出しているかの様な表情を浮かべた。




一「だって、Aさんの事を小さい頃から見てきましたから

それと同じように、奨さん達の事も同じように見てきました。」





一「だからAさんが心優しく、だからこそ不器用な人だと言う事もわかってますよ

奨さん達が、Aさんを大切だと思ってる事も痛いほど伝わってきますから」






一「大切だと思ってるがゆえに、なかなか素直になれないんじゃないんですかね 汐恩さんは」






『えっ、』




思わぬタイミングで汐恩の名前が出てきて、私は身体がびくっと飛び跳ねる。


それをみた一宮さんが、くすっと笑ったのを見逃さなかった。






『ど、どうして汐恩が...』









一「汐恩さんはいっつもAさんに意地悪ばっかで余計なこと言ってAさんのこと困らせてきてますから。
だいたいAさんの顔見れば原因は汐恩さんだなってわかります」





汐恩さんぐらいしかいませんから。あんな不器用すぎる人。


と優しく、少し愛おしそうに笑う一宮さんから目が離せなかった。







『うぅ、』




見透かされてた、、じゃぁ私が今日一人で戻ってきた原因が汐恩だって事もわかってたのかな____。

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