04：実行日 ページ5
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いつもより遅く寝て、いつもより早く起きて。
不規則な生活の代表みたいな一夜を過ごし、眠い目を擦りながら学校の門をくぐる。
字の綺麗さを理由に執筆役に抜擢されたからには、当然綺麗な字で手紙を書かなければならない。書いては消して書いて消してを繰り返し、いつもと比べ物にならないほど丁寧に文字を綴った。
引き受けた以上、彼女の希望を忠実に再現したかったというのもある。とにもかくにも、書く内容を指示されたとはいえ、たった一通の手紙を完成させるのには想定よりかなり時間がかかった。
使命感に掻き立てられて書き上げたものの、これでいいのか不安だ。なんせ私は男の子に手紙なんて出したことが無いから。
「轟くんのロッカーは……あ、ここか」
周りに人が居ないことを確認してからロッカーを開ける。上靴しか入っていないということはまだ登校していないのか。…始業の四十分前だし当然か。
鞄の中からファイルを取り出し、そこから白色の封筒を取り出す。大丈夫。『轟焦凍くんへ』という宛名は掠れていないし、漢字も間違っていないし、封筒の口を留めているシールも剥がれていない。
雄英のロッカーの中は仕切りで上下に別れているため、何も入っていない上の段に手紙を置き、すぐにロッカーの扉を閉めてもう一度周囲を見渡した。相変わらず伽藍堂だというのに気が気じゃない。友達のためとはいえ、私の行動はもはや不審者そのものだから。
足早に自分のロッカーへ向かいながら、ふと考える。
＿返事はいつ来るだろうか。
そもそも返事を書いてくれるだろうか。
頑張って書いたから返事が欲しい、と、見返りを要求しているわけではないが……いや、こういうことを考えるのは美亜に悪いな。言霊も怖いしやめておこう。
少し湿っぽい春の残り香が体に取り巻く。暖かいそれから微睡みを誘われて大きな欠伸を零してしまい、眠気を実感しながら誰も居ない静かな廊下を歩いた。
いつもより長いHRまでの時間は、自習に充てるとあっという間だった。
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つぎはぎウルフ(プロフ) - あかねさん» こちらにもコメントしてくださりありがとうございます。楽しみにしていただけてとても嬉しいです。あかねさんも体にお気をつけて、陰ながら創作活動を応援しております。こちらの小説も更新頑張ります！ (2020年7月16日 17時) (
レス) id: 845ea04d4f (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - つぎはぎウルフさんの作品はどれも続きが気になるものばかりで、常に続きを楽しみにしながら読んでいます。これからも更新楽しみにしながら待ってます！体に気をつけて自分のペースで更新頑張ってください！ (2020年7月16日 7時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
つぎはぎウルフ(プロフ) - きなこもちさん» ありがとうございます。私も楽しみながら書いているものを楽しく呼んでもらえて嬉しいです。コメント読んでいて思わず顔がにやけちゃいました…(笑) 気に入ってもらえて何よりです(o^^o) 更新頑張ります。 (2020年7月14日 18時) (レス) id: 845ea04d4f (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 更新お疲れ様です！いつも楽しく読ませていただいてます。今までそこそこの量のヒロアカ二次創作を読んできましたが、この作品が一番好きかもしれません...！これからの展開がとっても楽しみです(´∀｀)応援しています！！！ (2020年7月13日 20時) (レス) id: 6f695c5604 (このIDを非表示/違反報告)
つぎはぎウルフ(プロフ) - ゆり。さん» ありがとうございます！ヒーロー科×他科の生徒、ということで、接点が少ない分表現が一辺倒になっていないか心配だったのですが、そう言ってもらえて自信がつきました。もうしばらく続きますので、今後も応援よろしくお願いします…！ (2020年7月10日 16時) (レス) id: 845ea04d4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つぎはぎウルフ
| 作成日時：2020年6月19日 20時
