12：知らぬが仏 ページ13
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「一緒に食べていい？」と尋ねると、女の子たちは快く了承してくれた。幸いここにいる数人しか教室にいないので、近くの席から椅子を借りて弁当の包みを開く。
いつも私の隣にいる彼女が見当たらずに、クラスメイトの一人が小首を傾げる。
「美亜は？」
「呼び出されたの。二年の他科の人から」
「それ絶対告白じゃん！！」
「やば、どういうコネ？」
「コネて」
私たちと二年生の接点なんて無に等しいから、実は私も疑問だった。だから誰かが「一目惚れでしょ」と言って納得した。おかずを食べ進めながら、今時の子は一目惚れで相手に告白するのかとジェネレーションギャップを感じる。…いや年は変わらないが。
「男受けよさそうだもんね〜」
「このクラスの男子の何人があの子のこと狙ってるんだろ」
会話に遅れ気味になりつつも「そんなに人気なんだね」と呟く。
「そりゃーあの見た目であざといじゃん？」
「男はあざといの好きなんだよ」
まるであと二十は年を食ったような言い方にどっと笑いが起こる。女の子だけの会話はちょっぴりダークで、忖度というものがない。美亜とはこんな話をしないから新鮮だ。
──そうなると美亜に一目惚れしなかった轟くんは相当な堅物なのか？美亜はとんでもない人を好きになってしまったんだな。
「客観的に見て可愛いもんね、見た目とか仕草とか」
「いかにも“女子”って感じだよねー」
みんな言葉を濁しているけれど、あざとさというのは好き嫌いが分かれる要素だ。私はラッキーなことに何とも思わないタイプ。
「そういえば天野ちゃんって美亜と同中だよね？昔から仲良かったの？」
「ううん。一回も同じクラスにならなかったし」
「それで今ニコイチみたいになってるの？」
「うーん、気づいたら美亜が隣にいるんだよね」
個性か柔軟剤か、いつも甘い花の香りを纏って彼女は私のそばに居る。しかし私の言い方のせいでホラー的な流れを独自展開してしまった女の子たちの顔が青ざめていったので、慌てて「噂は聞いていた」と付け足した。
「噂って？」
「私たちの学年に、すっごくモテてる子がいるって」
興味が無かったので追及はしていないが、美亜は彼氏は絶えたことが無いそうだ。でも今は進学と同時に別れたのでフリー。
「魔性の女じゃん!!」
「私が知る限りそんなことないけど…」
今は轟くんだけに夢中になっている。距離を縮めようと躍起になるほど。
うちの中学から雄英に進学したのは私と美亜だけ。私は彼女の中学生時代を噂でしか聞いたことが無い。つまり、彼女の本性は誰も知らない。
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つぎはぎウルフ(プロフ) - あかねさん» こちらにもコメントしてくださりありがとうございます。楽しみにしていただけてとても嬉しいです。あかねさんも体にお気をつけて、陰ながら創作活動を応援しております。こちらの小説も更新頑張ります！ (2020年7月16日 17時) (
レス) id: 845ea04d4f (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - つぎはぎウルフさんの作品はどれも続きが気になるものばかりで、常に続きを楽しみにしながら読んでいます。これからも更新楽しみにしながら待ってます！体に気をつけて自分のペースで更新頑張ってください！ (2020年7月16日 7時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
つぎはぎウルフ(プロフ) - きなこもちさん» ありがとうございます。私も楽しみながら書いているものを楽しく呼んでもらえて嬉しいです。コメント読んでいて思わず顔がにやけちゃいました…(笑) 気に入ってもらえて何よりです(o^^o) 更新頑張ります。 (2020年7月14日 18時) (レス) id: 845ea04d4f (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 更新お疲れ様です！いつも楽しく読ませていただいてます。今までそこそこの量のヒロアカ二次創作を読んできましたが、この作品が一番好きかもしれません...！これからの展開がとっても楽しみです(´∀｀)応援しています！！！ (2020年7月13日 20時) (レス) id: 6f695c5604 (このIDを非表示/違反報告)
つぎはぎウルフ(プロフ) - ゆり。さん» ありがとうございます！ヒーロー科×他科の生徒、ということで、接点が少ない分表現が一辺倒になっていないか心配だったのですが、そう言ってもらえて自信がつきました。もうしばらく続きますので、今後も応援よろしくお願いします…！ (2020年7月10日 16時) (レス) id: 845ea04d4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つぎはぎウルフ
| 作成日時：2020年6月19日 20時
