占いツクール
検索窓
今日:86 hit、昨日:105 hit、合計:65,472 hit

卌弐:糸柱と炎柱 ページ6

.





「ごめんください!!!」



草木も眠る丑三つ時に快活な声が藤屋敷に響き渡った。屋敷の使用人たちは眠い目をこすりながら玄関に向かう。そこに立っていたのは案の定 かの炎柱。


「夜分遅くにすまない!一晩泊めてもらえないだろうか?」
「もちろん構いませんよ。さあこちらへ」


炎柱は一階の広々とした和室に通された。


「相変わらず綺麗な部屋だな!」
「ありがとうございます」

『_あら?こんばんは。煉獄さん』


家主の紡木も丁度任務を終え、帰宅した。いただいた白い羽織には一滴の返り血すら付いていない。流石である。


「邪魔してい──」


そんな彼女と同じ地位である煉獄の腹が突然鳴りだした。


『ふふっ、何か食べましょうか』
「ああ!すまない!!」
『元気ですねえ』





同じ形の羽織が椅子に掛けられ、その隣に煉獄が行儀よく座っている。紡木用に作られた夕食を温め直して食卓に並べると、彼は手を合わせてからがっついた。

そんな煉獄を横目で見て小さく笑いながら、紡木はもう一品 品数を増やそうと台所に立つ。


「美味いな!」
『皆料理が得意なんですよ』


そう言って、湯気の立つお椀が机に置かれた。中身はさつまいもの味噌汁。彼の好物だ。


『ゆっくり食べてくださいね』


自分も任務終わりで疲れているはずなのに、正面に腰を下ろす紡木があまりにも優しく微笑むから、煉獄は相槌を忘れてその表情に魅入っていた。



「どうして君には伴侶がいないのかとても不思議だ」

『唐突に悪口ですか』

「そういえば縁談の誘いがあってな」

『ほんとに唐突ですねおめでとうございます』



今度は炎柱に先を越された、と机に頭を打ちつける紡木。



『ついにご結婚ですか』

「いや、断ろうと思っている」

『?……そうですか』

「断る理由が気にならないのか?」

『まあ…気にならないといえば嘘になりますけど…』



あれだけ冨岡と不死川の恋愛については興味津々だったのに 今回は失速具合が凄まじいな、と煉獄は思った。


『聞き出そうとは思いません。いつか煉獄さんが酒の肴としてお話してくれるのを待ちます』


にこにこと、とても毎夜鬼の頸を斬ってい者とは思えないほどの笑顔を絶やさずに紡木は告げる。彼女が作ってくれた好物の味噌汁を啜りながら、煉獄は今度こそ相槌を打つ。

じんわりと体の底から温まっていくのを 彼は確かに感じた。

卌参:糸柱と炎柱→←卌壱:糸柱と嘴平隊士



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (222 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1958人がお気に入り
設定キーワード:鬼滅の刃 , , かまぼこ隊
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

花束くん - 素敵なお話ですね!!応援します( ‐ω‐)b (3月15日 0時) (レス) id: 38b30c7754 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:つぎはぎウルフ | 作成日時:2020年1月22日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。