金平糖は砕けない絆である3 ページ12
コネシマ視点
ひ「ここで、一体何をしていたの?ハニーレア嬢」
そう言いながら彼は俺たちに近づいてくる。ヒロインは嬉しそうに頬を桃色に染めながら、ひとらんへ猫撫で声で話しかけた
サ「ぇーとぉ、、この人が、私を虐めてきてぇ、、」
聞くに耐えないような変な声。それと相まって頭に残った妙な違和感の混じり合いで頭痛が酷くなる
コ「っゔ、、」
頭を抱えるようにして痛みを逃すようにするも、効果は見られなかった
痛い、いたい。たすけて、頭が、いたい
目の前が霞み、もう色が失われかける瞬間。何か温かなものが俺のことを横向きに抱き上げたのを感じる
ひ「もう大丈夫だからね、コネシマ。大丈夫、俺たちがいるよ」
黒い瞳が俺を覗き込んでいた。その瞳は優しく弧を描き、柔らかな感触が瞼に落とされる
サ「っ、ね、ねぇ、ひとらん様〜?私、その方に虐められていたんですよぉ?」
ヒロインが彼の腕を掴み、まだ何かを告げようとするも、ひとらんはそれを振り払った
ひ「君が彼を突き飛ばしたのは見たよ。虐められてたにしては、随分大きな声で喚いていたようだけど?」
ぐらぐらと揺れる視界の中、彼女が走り去っていったのを見つめていれば、俺を抱える腕が強くなる
けれど、痛みは一切ないような、守られていると感じられるような包み方で
彼女がいなくなったことと、助けてもらえたことへの嬉しさ。そして、あの頭痛の原因であった訳の分からない記憶に混乱する
幾分か和らいだ頭痛と、未だ熱を持つ肩のことを忘れて俺は意識を手放してしまった
夢を、思い出した
いつかの、幸せな夢
まだ、悪役だと知らずに。のんびりと生きていた、前の生活での話だ
家族には恵まれなかったけれど、お金はあったし、五体満足で産まれて、生きていられた
そんなある時、俺は夢を見たんだ
誰かはわからない。わかるのは、やけに綺麗な瞳を持った少年が、俺のことを抱きしめていたことだけ
『、、大丈夫、、大丈夫、、。きっと、君は幸せになれる。俺が、約束する』
その瞳の色は忘れてしまった。それでも、俺はその夢を信じていた
いつか、必ず。幸せになれると思っていた
『もし、君が幸せになれる時を見つけたら。そうしたら、君は、、俺の手を取ってくれるのか?』
その声になんと返事をしただろう
俺はもう、その答えを覚えてはいない
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モトダ(プロフ) - このお話大好きです!すごく展開が気になります!主人公はずっと愛されておくれ〜幸せを祈っておきます!更新頑張って下さい! (2023年4月22日 20時) (レス) @page44 id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - すっごく面白かったです!主人公が無自覚なのも良き…!happy endを願っています!更新頑張ってください!(ご自分のペースで大丈夫です) (2022年10月30日 20時) (レス) id: ab6d207954 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 粉雪さん» お返事遅くなり申し訳ありません、、!沢山読み込んでくださって、本当にありがとうございます!期待に応えられますよう、精一杯更新頑張りますのでお付き合いよろしくお願いいたします! (2022年10月30日 11時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - rimu@他力本願寺建設完了!さん» お返事遅れて申し訳ありません、、!そう言っていただけることが何よりの幸せです!少しづつではありますが、まだまだ続きますので是非ご覧になっていってくださいな (2022年10月30日 11時) (レス) @page39 id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
粉雪(プロフ) - 投稿お疲れ様です!今回もとても良かったです!内容が良くて何度も読み返しに来ちゃいます。無理せずに更新頑張ってください!! (2022年8月20日 21時) (レス) id: 81a22c2cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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