つれづれ。【QK】

癒し_fkr ページ19

福｢こんにちは〜。お邪魔します。あれ、どうしたのAちゃん？｣


福良さんが不思議そうな顔をしてこちらを見ている。それもそうだろう。普段料理をしないような私がエプロンを着て出てきたのだから。


｢福良さん！いらっしゃいませ。あ、鞄持ちますよ！｣

福「あ、ありがとう」


私の恋人…もとい福良さんは忙しい。QuizKnockのプロデューサーとしての打ち合わせから動画の作問、出演。最近ではテレビでの仕事まで。そんな多忙な毎日で疲れているはずなのに、私のための時間まで取ってくれてている。
しかし！そんな優しい彼に甘えてばかりはいられない。私は決めたのだ。今日は私が彼の疲れを癒すと！


｢今お菓子を作ってたんです！マフィンなんですけど食べますか？｣

福｢うん、食べたいなぁ。僕も手伝うよ｣

｢いえ、大丈夫です！福良さんは座って待っててください！｣

福｢え？うーん、じゃあそうするね｣


疲れた体には糖分！とよく言われるようにまずはお菓子で彼を癒す作戦その1だ。それなのに手伝ってもらうなんてもってのほか。福良さんは手持ち無沙汰だという顔をして渋々ながらソファに座ってくれた。


福｢あれ、初めて見るぬいぐるみだ〜。新しい子？｣

｢あ、違います。それ福良さんにプレゼントしようと思って買ったんです！｣

福｢え！？これ僕になの？｣

｢そうですよ〜！｣


これは作戦その2。癒し動画もあるくらいだし、動物の癒し効果は期待できる。さすがに本物を飼い始めることは出来ないのでぬいぐるみで代用した。ぬいぐるみと言えど触り心地のいいものを選んだし悪くは無い、と思う。


｢ありがとう、悠奈。…あのさ、｣

｢あ、マフィン焼けましたよ！｣

｢あぁ、ありがとう｣


ふわふわに焼けたマフィンは今までで1番の出来で思わず気分が上がる。しかしそれに対して、福良さんの表情はあまり明るく見えない。それどころかむしろ、暗い？





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