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『────』
絶句、というのだろうか。
彼が何を考えて何を言ったのかが理解できなくて、私はぽかんとそこに佇んでいた。
すると彼はふ、と苦笑して言葉を続ける。
「今のAの状況、説明しますね」
*
────語られたのは、あまりにも信じ難い、それでも事実。
……元は私の魔法の暴走が原因だという。
『蠱惑魔法』
代々エルフに受け継がれていた、”常時発動系”の魔法の一つである。
……しかしそれは時代とともに廃れたはずの魔法だった。
そもそも蠱惑魔法とは洗脳の一種でもあり、それらが使えるからエルフは迫害されていたと言っていいほどの最悪な魔法。
だから、蠱惑魔法やそれらの類は進化とともに消えていった。
けれど、それが偶然、私には使えてしまった────のだという。
理由は分からない。
俄には信じ難いが……実際幹部の人達に一瞬で好かれたあの現象、今思えば異様なのだ。
それが魔法の、私が無意識に発動してしまっていた魔法のせいだと言うのなら納得である。
つまり私は知らぬ間に幹部たちに洗脳をしていた────そのことから、スパイではないかと疑われている、らしい。
『や、やらかした……』
完全にミスである。
引きこもっていたが故に人と関わることが無かった、だから私に蠱惑魔法が使えるなんて全く気づかなかった。
今はもう魔法をオフ状態にしているので洗脳は解けている。
……私のことを自分の意思で好きになった訳では無い彼らは、もう────
私のことを憎むばかりだ。
ゾムさんも。
コネシマさんも。
ロボロさんも。
トントンさんも。
チーノさんも。
オスマンさんも。
鬱さんも。
シャオロンさんも。
そして────グルッぺン、さん、も。
……仲良くなれたと、思っていたのに。
彼らが向けてくれていた愛情は、優しさは、私が無理やり向けさせていた偽物。
……自業自得だというのに、どうしようもなく胸が痛かった。
そう思えば幸いなのはエーミール兄様とショッピくんはまだ私を信じてくれていること……だろう。
ひとりじゃない、味方がいる、それだけでこうも勇気が出るものなのだと知った。
『……ねえ、』
だから私は心を決める。
自分の未来を、どうするのかを、決める。
『────私、貴方と一緒に逃げる』
大切な幼なじみと共に、この国から身を隠すことを、決める。
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まこち(プロフ) - 初コメ失礼します､続編!!楽しみにしてます!!!! (2022年1月17日 17時) (
レス) @page50 id: 2e33e63444 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - シュネーさん» ひえぇありがとうございます……！！！頑張ります…( ´ω` )/ (2021年9月29日 23時) (レス) id: 822e5c31a6 (このIDを非表示/違反報告)
シュネー(プロフ) - ユノさんおめでとうございます！(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑がんばれー (2021年9月29日 22時) (レス) @page35 id: ee9d47dabc (このIDを非表示/違反報告)
シュネー(プロフ) - 面白かったです！ありがとうございます！(？)ゆっくりでもいいので、楽しみに待ってます！ (2021年9月28日 23時) (レス) @page27 id: ee9d47dabc (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 好き……え、設定も文才も言葉選びも何もかもが好き…頑張ってください、応援してます…… (2021年9月28日 7時) (レス) id: 3705531e30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユノ | 作成日時：2021年9月24日 0時
